窓をあけ、下向きの75日移動平均線に急接近
12月1日~6日までの値動きを見ますと、11月30日と12月1日の間、そして同1日と2日の間に各々上下に窓をあけているのが分かります。また、12月2日に窓をあけた時に5日移動平均線を下回り、5日移動平均線が下向きに変化しています。
さらにその後も緩やかな下落が続き、前回のコラムで解説した75日移動平均線に接近している状況です。
75日移動平均線は緩やかな下向きを続けていることから、株価水準は75日移動平均線上を維持しています。ただし、ウェッジ型のもち合いを下に放れていることもあって、75日移動平均線を終値で下回って戻せないようですと、緩やかな上昇を続ける200日移動平均線辺りまで下落することが視野に入るのではないでしょうか。
仮にそうなりますと年末高への期待がさらに遠のくことになり、買いポジションを持っている投資家は損失の発生や拡大に注意が必要になると思われます。
そのような中、今回発生した窓はどの種類の窓になるのでしょうか。それは過去の値幅の範囲内で推移していることから、コモンギャップ(=普通の窓)ではないかと考えられます。
仮にコモンギャップだった場合、75日移動平均線上を維持するようですと反発して窓を埋めることが期待されます。
SQ値を上回って維持できるか
そこで今週注目されるのがSQです。SQとは先物やオプションの清算値のことで、12月9日はその清算値が決まる日になります。
なぜ、このSQが重要かと言いますと、先物やオプションの清算値によって先物やオプションを取引している投資家の損益状況が確定することに加え、このSQを起点に新たなポジションが形成されるからです。
そのため、SQ算出日に売買高や売買代金が膨らむ傾向があるとともに、SQ値が先物やオプションを取引している投資家の損益の目安になることがあるのです。
特に今回は12月限の先物のラージやミニ、オプション、全ての清算値が決まる、3ヶ月に1度のメジャーSQとなっているため、とても重要な日になると考えられるのです。
過去の傾向を振り返ると、日経平均がSQ値を終値で上回って終えるようですと、その後SQ値が安値の目安になることが多く、株価は反発傾向になることが期待されます。
その一方、SQ値を下回って終え、その後も上回ることができないようですと、SQ値が上値の抵抗になって下落基調が続くことが考えられます。
このような状況から、週末のSQ値がどの様な水準になるかわかりませんが、日経平均株価がSQ値を上回って推移するようですと、今回あけた窓を埋めることが期待され、再びレンジの上限に接近したり、上回ったりすることが視野に入ります。
その反面、SQ値を下回って上回ることができないようですと、75日移動平均線を下回って200日移動平均線に接近したり、200日移動平均線も下回ったりすることが考えられるため、買いポジションを持っている投資家は損失の発生や拡大に注意する必要があると思われます。
年末高への期待はまだ残っていますが、SQ後の値動きが重要なカギを握っていると言えそうです。