東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は反落となりました。242円安の27,983円でスタートした日経平均は寄り付きを高値に下げ幅を広げると11時前に563円安の27,662円まで下落し546円安の27,679円で前場を終えました。514円安の27,711円でスタートした後場の日経平均は13時10分過ぎに527円安の27,698円まで下落した後引けにかけてやや戻すと結局448円安の27,777円で取引を終えています。こうしたなか新興株も安く東証マザーズ指数が下落となっています。

2.個別銘柄等

サイバーエージェント(4751)が4.0%高となりました。サッカーワールドカップのカタール大会で日本代表が強豪のスペインに勝利し決勝トーナメント進出を決めたことで大会を全試合無料で生中継しているインターネットテレビのABEMAの利用者が増加し広告収入が増えるとの思惑から大幅高となりました。

また、英国風パブのハブ(3030)もサッカーワールドカップの関連銘柄として買いを集め一時14.9%上昇しストップ高となる場面がありました。伊藤園(2593)も一時3.6%高となりました。子会社のタリーズコーヒーが好調で上期の純利益が前年同期比で2.2%増となり8.4%減を見込んでいた会社計画を上回って増益で着地したことで上げ幅を広げる場面がありました。資源リサイクル大手のエンビプロ・ホールディングス(5698)も一時19.9%高となりました。三菱マテリアル(5711)とリチウムイオン電池のリサイクル分野で共同開発を進めると発表したことを材料視した買いが入りました。

一方で三越伊勢丹ホールディングス(3099)が3.3%安となりました。11月の国内百貨店の売上高は前年同月比で9.4%増となりましたが、10月の15.8%増から伸びが鈍化したことで売りが優勢となりました。さらに円高が進んだことで自動車株が安く、なかでも日産(7201)が3.0%安、三菱自動車工業(7211)が5.9%安、マツダ(7261)も3.7%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は448円安となりました。昨日の米国市場でダウ平均が利益確定の売りが出て190ドル以上下げたことや、135円台前半まで円高が進んだこともあって大幅安となりました。下げ幅を広げ節目の28,000円や一昨日にサポートとなった25日移動平均線(27,844円)を割り込んだことで上値の重さが改めて意識されそうですが、75日移動平均線(27,650円)を前に下げ渋ったこともありここからの切り返しに期待したいところです。

なお、日本時間の22時30分には11月の米雇用統計が発表されます。今後の米連邦準備理事会(FRB)による金融政策を占ううえで関心の高い経済指標だけにマーケットの反応が注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)