モトリーフール米国本社、2022年11月8日 投稿記事より
主なポイント
・メタ・プラットフォームズはかつて1兆ドル企業であったが、現在は株価が急落している
・投資家は、メタバースへの積極的投資と広告支出の減速を懸念している
・バリュエーションは著しく低下しているため、急回復の可能性がある
輝かしい復活ストーリーが期待される
投資家は次の大物を狙い、どこが次の1兆ドル企業になるか、考えを巡らせています。ソーシャルメディア大手のメタ・プラットフォームズは、1度は頂点に上り詰めましたが、残念なことに、その後、株価は急落し、現在の時価総額はおよそ2,400億ドルとなっています。
では、メタ・プラットフォームズは力を取り戻し、2025年までに時価総額1兆ドルを回復できるでしょうか。現在の市場では、株価がすぐに4倍になるというのは簡単なことではありません。しかし、メタ・プラットフォームズを掘り下げてみると、回復の可能性はそれほど突飛な話でもないようです。以下で詳しく見てみましょう。
栄光からの失脚
将来に目を向ける前に、過去を振り返ることが必要な時があります。投資家はメタ・プラットフォームズの急落を理解しなければなりません。なぜなら、メタ・プラットフォームズの株価急落は、足元の弱気相場の域を超えているからです。メタ・プラットフォームズの株価低迷の主な原因は、同社のリアリティ・ラボへの積極的な投資を市場が懸念していることにあります。マーク・ザッカーバーグCEOはメタバースに確信を抱いており、メタバースが主流になればメタ・プラットフォームズにとって大きな機会になると見ています。
メタ・プラットフォームズの投資額は、右肩上がりに増加しています。リアリティ・ラボへの投資は、今のところ株主にリターンをもたらしておらず、それどころか、メタバース部門は年初来で94億ドルの損失を出しています。ザッカーバーグCEOは決算説明会で、同部門への投資が2023年も増加するとの見通しを示しました。
さらに、景気後退懸念によって広告支出が落ち込んでいることもあり、ウォール街のメタ・プラットフォームズに対する見方は、過去に例を見ないほどネガティブになっています。こうしたセンチメントはバリュエーションにも表れており、株価収益率(PER)8.6倍というのは過去最低の水準です。
1兆ドルへの道
誰からも嫌われている落ち目の株が、どうしたら2025年までに1兆ドル企業になれるのでしょうか。まず、企業の株価は必ずしも事業の質を反映しているわけではない、ということを忘れてはいけません。確かに、メタ・プラットフォームズは今、困難に直面していますが、市場は同社の利益が時間の経過と共に増加すると見ています。アナリスト予想では、メタ・プラットフォームズの1株当たり利益(EPS)は今後数年間で33%増加し、2025年には12ドルに達する見通しです。
その頃には、メタ・プラットフォームズの事業も正常に戻っているでしょう。広告業界は循環的であるため、経済と共に回復しているはずです。リアリティ・ラボは、現在とは様変わりしているかもしれませんし、市場は再び、メタ・プラットフォームズを好感するようになっているかもしれません。
現在の発行済株式数で時価総額1兆ドルを達成するためには、株価は約379ドルになる必要があります。同社は定期的に自社株買いを行っていますが、ここでは、アナリストがそれをEPS予想に織り込んでいると仮定します。仮に、メタ・プラットフォームズのEPSが12ドルとなり、PERが過去10年平均の34倍になれば、株価は408ドルとなり、時価総額1兆ドルに到達するには十分です。
忘れてはならない視点
これがうまくいって時価総額1兆ドルを達成できれば、足元の株価で買った投資家は300%のリターンを得ることになります。これは素晴らしいリターンであり、市場をアウトパフォームするに違いありません。
とはいえ、これらの仮定は、メタ・プラットフォームズの時価総額がある時点までに1兆ドルに達するか、達しないかに焦点を当てているわけではありません。そうではなく、目の前のメタ・プラットフォームズ株がいかに魅力的であるかをイメージしていただくためのものです。アナリストの予想EPSを達成すれば、PERが現在の最低水準にとどまったとしても、株価は3年間で33%上昇します。もし、今後3年間でセンチメント(PERに反映される)が全く上昇しなければ、多くの人の認識が間違っていると言えます。
最も可能性が高いのは、メタ・プラットフォームズの広告事業が最終的に回復し、ザッカーバーグCEOがリアリティ・ラボから少なくとも何らかの価値を引き出すことでしょう。現時点でハードルはかなり低いため、足元の株価はかなり魅力的です。ホームランを打つ必要はなく、シングルヒットでも投資としては大成功であり、それ以上であれば追加ボーナスです。
免責事項と開示事項 記事は一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。フェイスブックの元市場開発担当ディレクター兼スポークスマンであり、メタ・プラットフォームズのMark Zuckerberg CEOの姉であるRandi Zuckerbergは、モトリーフール米国本社の取締役会メンバーです。元記事の筆者Justin Popeは、記載されているどの銘柄もポジションを所有していません。モトリーフール米国本社はメタ・プラットフォームズの株式を保有し、推奨しています。モトリーフールは情報開示方針を定めています。