3度目の正直となるか、75日移動平均線を上回る可能性も
200日移動平均線の攻防が続いています。前回のコラムでは、「グランビルの法則から下向きの200日移動平均線に押し返された場合は要注意」と解説しましたが、10月20日に窓をあけて一旦押し返されたものの、上向きに変化した5日移動平均線がサポートになると、10月25日には200日移動平均線を上回って終えているのが分かります。
下向きの200日移動平均線を終値で上回るのは、10月に入ってこれで3回目となります。こうなりますと3度目の正直ではないですが、下向きの200日移動平均線を上回って維持できるのかどうか期待が高まるのではないかと思われます。
仮に200日移動平均線を上回って維持するようですと、緩やかな上向きに変化した5日移動平均線がサポートになることが考えられる他、株価が上向きの75日移動平均線を突破する可能性も高まってくるのではないかと思われます。
また、そうなればレンジの上限の水準である28,000円台半ばに接近することも視野に入ると考えられ、年末高への期待が高まりそうです。
200日移動平均線が上向きに変化するまでは注意が必要
ただし、200日移動平均線を上回って維持した場合においても注意点があります。それは、200日移動平均線の向きが下向きを続けていることです。
10月25日の200営業日前は2021年末辺りになりますが、この時の株価水準は28,000円台半ばから29,000円台前半になります。これらの値よりも、現在の株価が低いことを考えますと日々高い値と低い値が入れ替わることから、まだ1ヶ月以上200日移動平均線の低下が続くと考えられます。
そのため、2023年8月や9月のように一旦上回る場面があっても、200日移動平均線の低下が続いている間は株価の下落に注意が必要ということになるのです。
仮に下落した場合、10月に発生し埋まっていない窓を埋める水準まで接近したり、レンジの下限に到達したりすることも考えられます。買いポジションを持っている投資家は売り時を逃さないようにする必要があると思われます。
その一方、200日移動平均線が上向きに変化するまで200日移動平均線を上回って維持するようですと、年末に向けた株価上昇が期待され、レンジの上限に接近したり、上回ったりすることが考えられるのではないかと思われます。
200日移動平均線の攻防が続いていますが、単に上回るだけではトレンドが変わるわけではありません。今後は200日移動平均線の向きに注意すると同時に、上向くまではポジションを大きくしないようにし、急落などに巻き込まれないようにしたいところです。