10月13日(木)に発表された米CPIは、以下の通り事前予想を少し上回る結果となりました。
9月CPI:予想+8.1%→結果+8.2%
9月CPIコア:予想+6.5%→結果+6.6%
この結果を受けて株式市場や暗号資産市場は急落し、米ドルが買われました。しかし、その後、急反発となりました。テクニカル的には底が入ったようなローソク足形状です。リスクオフムードが広がる中でエントリーが入ったポジションの多くは、含み損を抱え始めた可能性があります。今週ジリ高の展開となりますと、それらの含み損が膨れ上がってきますので、上昇には好材料です。10月後半に上値を切り上げる確率が高くなってきたように思います。
BTC(ビットコイン)、ようやくボトムアウトなるか
BTC/JPY日足チャートから見ていきましょう。
現状は6月から続く三角保ち合いの中で推移していますが、5本前の足が下ヒゲ陽線となっています。今回の米CPIの結果は、本来ですとBTCにとって悪材料となるところでしたが、結果的にそうなりませんでした。悪材料が織り込まれ過ぎている状況では、下値が固く底割れすることがほとんどありません。マーケットの短―中期ポジションでほとんど資金が抜けてしまっていることが改めて確認できました。
次は上値を攻める番です。わずかな好材料でも上昇しやすいと考えています。目先、注目したいのは、何度も抵抗帯となっているSMA90(3ヶ月移動平均線)ラインです。ここを突破できるならば、三角保ち合いの上限ラインが次のターゲットとなりそうです。
BTC価格は先週と同じ水準ですが、10月13日(木)の急落・急騰が大きな布石になったと考えられます。
4時間足に時間軸を落とします。
日足SMA90以外ですと、4時間足の295万円付近のラインがレジスタンスとなりそうです。295-300万円はレジスタンスとなるテクニカル的な節目の多くの条件が整っているため、上値を抑えられやすいでしょう。ここを力強く突破できることが10月後半に上昇する条件となりそうです。
押し目買い戦略としては、この週末の安値付近である280-282万円のサポートあたりからでしょうか。移動平均線が3本とも重なっていますが、現状はそれよりも上で推移しています。
ここから上昇が続きますと、大きなトレンドに発展しやすいタイミングでもありますので注目したいところです。
ETH(イーサリアム)、20万円の壁を越えるか
続いて、ETH/JPY日足チャート分析です。
BTCよりも下値を切り下げていましたが、同じく反発となりました。直近安値をわずかに下回っており、MACDで見るとダイバージェンス発生と捉えてよいと思います。
今週の注目ポイントは20万円のレジスタンスラインです。ここを突破した場合、次はSMA90がレジスタンスとなりそうです。この角度から考えますと21万円-21.5万円を第一ターゲットと据え、さらに上値を伸ばすならば下降トレンドラインの上値を第二ターゲットとしてイメージしておくとよさそうです。その場合は22万5000円付近が目安となるでしょう。その値動きのイメージを記載しました(図表3参照)。
リスクオンへの転換をイメージしてみると、ウクライナとロシアの停戦協議に向けた動きが1つのポイントとなるように感じます。停戦=資源価格低迷=インフレ脱却という構図を織り込みにいく形になると、BTCやETHも大幅上昇を演じると考えています。
このポジティブサプライズに期待しつつ、暗号資産の買い目線を維持しながら、買いポジションも継続したいと思います。