【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 29,239.19  △36.31 (10/11)
NASDAQ: 10,426.19  ▼115.91 (10/11)

1.概況

米国市場は高安まちまちとなりました。ダウ平均は短期的な戻りを期待した買いで5日ぶりに反発しましたが、ハイテク株への売りが続いたことでS&P500株価指数とナスダック総合株価指数は5日続落となりました。117ドル安でスタートしたダウ平均はまもなくしてプラスに転じると昼過ぎに405ドル高まで上昇しましたが、イングランド銀行のベイリー総裁が緊急国債買い入れ措置を延長しない方針を示したことを嫌気した売りが出て取引終盤に急速に伸び悩むと100ドル安近くまで再び下落しました。その後引けにかけて持ち直したダウ平均ですが上値は重く結局36ドル高の29,239ドルで取引を終えています。一方でS&P500株価指数が23ポイント安の3,588ポイントとなったほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も115ポイント安の10,426ポイントとなり前日に続いて年初来安値を更新しています。

2.経済指標等

主要な経済指標の発表はありませんでした。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち7業種が下げ、コミュニケーション・サービスと情報技術、金融が1%以上下落しました。一方で不動産や生活必需品などの4業種が上げ、不動産は1%高となっています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄ではアムジェン(AMGN)が5%を超える上昇となったほか、ウォルマート(WMT)とウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)も2%以上上げました。一方でJPモルガン・チェース(JPM)が3%近く下げ、ウォルト・ディズニー(DIS)とセールスフォース(CRM)、ゴールドマン・サックス(GS)、ダウ(DOW)も2%以上下落しています。

ダウ平均構成銘柄以外では主力ハイテク株の下落が目立ち、広告付き低価格プランの業績押し上げ効果を疑問視するアナリストが相次いだことでネットフリックス(NFLX)が7%近く下落したうえ、投資判断の引き下げを受けてフェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ(META)も4%近く下げました。また、配車サービス大手のウーバーテクノロジーズ(UBER)が10%余り下落しました。米労働省が単発で仕事を請け負うギグワーカーなど個人事業主の分類基準を改正する案を公表したことで、運転手を個人事業主に分類できなくなることによる人件費の大幅な増加を懸念した売りが出ました。同業のリフト(LYFT)も12%安となり、多数のギグワーカーと契約している食事宅配のドアダッシュ(DASH)も6%近く下げています。

さらに半導体製造装置関連株も安く、中国の顧客への一部製品やサービスの供給を休止すると伝わったKLA(KLAC)が6%余り下落し、ラムリサーチ(LRCX)も6%以上下げました。アプライドマテリアルズ(AMAT)も3%を上回る下落となっています。

5.為替・金利等

長期金利は0.07%高い3.95%となりました。ドル円は145円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国市場が高安まちまちとなったことで小動きでのスタートが予想されます。こうしたなか2日間で900円以上下げた日経平均が自律反発の動きをみせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)