レンジの下限で下げ止まり、窓をあけて大幅反発

前回のコラムでは、3つの窓が連続してあいているものの、コモンギャップではないかと解説しましたが、その通り3つの窓が発生後も下落が続く展開となりました。

また、9月29日が配当や優待の権利落ち日となるため、その後の株価動向にも注意が必要と解説しました。

そこで、まず三空から振り返ってみましょう。3つ窓をあけて翌営業日は一旦下げ止まる展開となりましたが、翌営業日以降も下落が続き、10月3日には取引時間中に大きなレンジの下限を割り込む場面があるなど、下落が続く結果となりました。

このように下落が続き、レンジの下限を一時割り込む場面があったところを見ると、窓が単純に連続してあいただけの場合、株価のトレンドが転換するという考え方は当てはまらないのではないかと思われます。

続いて権利落ち日の値動きですが、取引開始時から買い優勢となり株価水準を切り上げる結果となりましたが、下向きの5日移動平均線上を回復できずに終える結果となっているのが分かります。

そのため、10月3日にはレンジの下限を一時割り込む水準まで下落しましたが、この水準を終値で上回って維持すると、下向きの5日移動平均線に接近して終えています。

【図表】日経平均株価(日足)
出所:i-chartより株式会社インベストラスト作成
※赤い丸=埋まっていない窓、青い丸=埋まった窓

200日移動平均線を上回ることができるかがカギになるか

その一方、翌10月4日は大きな窓をあけて5日移動平均線を上回って始まると、そのまま上げ幅を広げて27,000円に接近して終えるとともに、5日移動平均線が上向きに変化しています。

では、今回発生した窓はどの種類の窓になるのでしょうか。また、今後どのような展開が予想されるでしょうか。

まず、窓の種類についてです。大きな窓が発生していますが、私はこれまでと同様にコモンギャップ(=普通の窓)ではないかと考えています。そのため、上昇が一服すると反落して埋める可能性があるのではないかと思われます。

その窓埋めの可能性を探る判断材料の1つが、下向きの200日移動平均線上を回復できるかどうかではないでしょうか。

仮に200日移動平均線上を回復して維持するようですと、レンジの上限に接近したり、上回ったりすることが視野に入ってきます。しかし、200日移動平均線に接近しても押し返されたり、届かずに反落して5日移動平均線を下回ったりするようですと、10月3日と4日にあけた大きな窓を埋めることが考えられます。

大幅な反発となった日経平均ですが、レンジを上下どちらかにブレイクするためには、まだまだ越えなければならない条件がいくつかありそうです。