今週(9月23日~9月29日)の相場動向
相場回顧 BTC:米FRBの利上げ継続を受けて米国株が続落するなか底堅い値動き
ビットコインは、米FOMC後のパウエルFRB議長のタカ派的な発言を受けてリスクオフが強まるなか、米国株とともに下落した。為替市場では日銀の為替介入発表によるドル円の暴落に続いて、英国の大型減税を含む経済対策をめぐってポンドが暴落し、混乱が次々に起きた。しかし、これによる暗号資産市場への影響は限定的で、ビットコインはBTC=267万円(18,500ドル)付近で底堅く推移した。米連銀総裁らの利上げを支持する発言があり、米長期金利が上昇するなかで米国株は売りが継続したが、ビットコインは価格を維持したままもみ合いとなった。27日にはバイナンスの日本進出が噂されるなか一時BTC=289万円(20,000ドル)を回復したが、米国株の下落に加えて、パウエルFRB議長が暗号資産規制に言及したことが警戒され、再びBTC=267万円(18,500ドル)付近まで下落した。その後は、英イングランド銀行が国債購入開始を発表したことで米長期金利が急低下し、米国株とともに買い戻しが強まった。
来週(9月30日~10月6日)の相場予想
欧米を中心に景気後退懸念が強まるなか、BTCはヘッジ資産として買いを集める可能性も
金融市場では歴史的なインフレ状況が続いており、欧米を中心に急な利上げにともなう景気後退懸念が広がっている。特に欧州ではロシアウクライナ戦争の影響で米国以上に物価が上昇しており、エネルギー不足によって冬にかけて景気悪化が加速すると予想されている。ECBは今月0.75ポイントの大幅利上げを決定したが、来週発表のECB理事会議事要旨で金融引き締めの加速が示唆された場合、ビットコインは株式とともに売りが継続することが考えられる。米9月雇用統計が堅調な内容となり、米国における景気後退懸念が後退するかにも要注目である。
暗号資産市場では、米ナスダックが暗号資産カストディ事業を計画するなど機関投資家向けビジネスの発展はみられるが、独自にマーケットを好転させるような目立った材料は出ていない。その割に、直近株式が下落する中でも暗号資産の値持ちはよく、一時期ほどの相関がみられない。金融市場において株式だけではなく為替もボラティリティが高まるなか、ビットコインがヘッジ資産として一部の買いを集める可能性はあるだろう。
直近上値としてBTC=332万円(23,000ドル)、下値としてBTC=260万円(18,000ドル)を意識する。
※1ドル=144.5円で換算(執筆時)