中央銀行ウィークの今週、日本はシルバーウィークでもあり3日の立ち合い日となる。台風14号の影響も警戒されるなか、FOMCの結果待ちで、20-21日は様子見姿勢が強く動意薄となるだろう。問題はFOMCの結果を受けた米国市場の反応に左右される22日だ。

翌日からまた3連休とあって、その日もポジションは大きく取れない。米国株が仮に下げたとしても、それに追随して売ったまま3連休を迎えられるか?米国市場はその木曜の夜も次の金曜日も取引がある。CPIショックで相当売り込まれてきた後だけにFOMCがネガティブ・サプライズとなって売られたとしても短期で巻き戻る可能性は十分ある。

そもそも今回のFOMCでの75bpsの利上げは完全に織り込み済み。パウエル議長のタカ派姿勢も、ドットチャートで政策金利の上限引き上げも織り込み済みだろう。サプライズの要素はあまりないように思われる。材料出尽くしで6月の時のように米国株相場は反発する可能性もある。しかし、それにも追随できないのは同じだ。短期で反発しても持続性には疑問符がつくからだ。

結局のところ、よほど大きな波乱がない限り、今週の東京市場は「動けない」一週間となるだろう。

今回同様、CPIショックからのFOMCという流れだった6月を振り返ると、実際に75bpsの利上げが決まると、事前に織り込み済みだったこともあり材料出尽くしで株式相場は反発した。ところがその直後、スイス国立銀行が15年ぶりの利上げを行ったことが市場に衝撃を与え波乱の展開となった。今回、スイス国立銀行も利上げを行い、マイナス金利政策を脱すると見られている。そうなれば日銀だけが世界で唯一のマイナス金利政策をとる中央銀行となり、キャリートレードが活性化して円安が進む可能性が高い。

円安はメリット・デメリット両面あるが、差し引きすれば日本株にはプラス要因であり、すでに活況を呈しているインバウンド関連株などが一段と買われる展開も想定される。ストラテジーレポートでも書いた通り、グローバルで見て日本株は相対的に優位な状況にある。ゴールデンウイークの飛び石連休の狭間の立ち合い日が意外に堅調なのは、日本が休場中の海外の動向を反映できないからポジションが取れず、結果、売りも引っ込んで「閑散に売りなし」の状況になるからだ。今回のシルバーウィークの3日間も同様に、意外に堅調な相場となるのではないか。