先週、米ドル/円は、1998年ぶりの高値である140円台に乗せました。現在(9月5日午前執筆時点)も、140円台で推移しています。先週から米ドル独歩高が続いており、ドル建ての暗号資産は下落している状況です。円建てでは横ばいで踏ん張りを見せているように感じますが、為替の変動による見誤りは避けたいところです。
今週木曜日(9月8日)に欧州中央銀行(ECB)理事会が予定されています。ECBが0.75%の利上げに踏み切るのではないかいう見方もあります。もしそうなった場合、暗号資産市場にとって逆風続きとなるでしょう。
積極的に投資していくフェーズではないと思いますので、個人的にはレバレッジトレードで戻り売り戦略の方が良いのではないかと感じています。
では、チャートを見ていきましょう。
BTC(ビットコイン)、移動平均線が下落を示唆
BTC/JPY日足チャート分析です。
上昇トレンドラインを右方向に抜けてからしばらく時間が経過しています。2022年6月の急落相場で既に市場が傷んでいるためか、閑散とした様子です。
トレンドラインを右方向に抜けたものの、横ばいでの推移が続いています。特に8月はコマ足と呼ばれる実体の短いローソク足が連続しており、方向感を完全に失いつつあるように見えます。ただし、米ドル/円が大きく上昇していることから、円建てBTCが下落するということは、ドル建てBTCは下落基調であるということを認識しておくべきでしょう。
移動平均線もSMA7→30→90と順序よく並んでおり、下落トレンドを示唆する順番です。MACDはまだ0.00ライン付近ですので、明確な下落トレンドを示唆していませんが、次の長いローソク足で加速しやすいでしょう。大陰線出現の場合は、売りトレンド再開のインパクトが強くなりそうですので注意しておいた方が良いと思います。
よって、買いは控えめにしたいところです。レバレッジトレードの売り戦略で参入する場合はSMA30(1ヶ月移動平均線)やSMA90(3ヶ月移動平均線)をバック(285-300万円)に、エントリーを検討した方が良いでしょう。損切りは320-335万円で諦める前提で240-255万円をターゲットにしたトレードが良いでしょう。
SMA30に抑え込まれるETH(イーサリアム)
ETH/JPY日足チャート分析に移ります。
綺麗な三尊を形成中です。ネックラインは20万円付近になりそうですので、ここをブレイクした場合、一段安となりやすい地合いに見えます。現在(9月5日午前時点)、SMA30でしっかりと抑え込まれている状況ですので、ここを陽線で抜けてローソク足実体で抜けてクローズをしない限り、ネックライン割れによるトレードが主流になるのではないでしょうか。
よって、売り戦略ならばSMA30をバックに戻り売りを検討したいところです。ネックライン割れで下落トレンドが加速することを前提としたトレードで良いのではないでしょうか。
ターゲットは15-17万円を想定しています。
ETHの大型アップグレード「The Merge」完了まで残すところあと10日となりました。本コラムで繰り返し述べてきましたが、非常にポジティブなアップデートです。ハードフォークによって、ETHが「ETH」と「ETHW」に分岐する可能性が示唆されています。
8月からETHW獲得を狙った買いが多く入っており、アップデートが完了次第、売りが一定量出ると予想しています。実際、ETHWの割合がどの程度出てくるかもわかりません。BTCの時はおよそ1割がBCHとして誕生しました。この割合が少ない(5%程度など)場合、失望売りも出てきそうです。急な下落相場に注意しながら、様子を見た方が良いと思います。
押し目買いを狙うなら、17万2000円付近に引けるサポートラインになります。ただ、当時と比較して米ドル/円が上昇しています。当時のドル建てのネックラインは1,280ドル近辺ですので、現在の1ドル=140円を掛け算しますと、17万9200円になります。つまり、約18万円がサポートラインになりますので、押し目買いを狙うならば、この水準からではないでしょうか。
9月の戻り売り・押し目買いのターゲットは18万円付近だと考えています。まだ4万円も差がありますので、今週というよりは、今月の目安としています。
先述の通り、ECBが本格的に金融引き締めに舵を切るのではないかという見方があります。FRB(米連邦準備制度理事会)とECBが引き締めを加速させていくとなれば、暗号資産の上値は限定的になりかねません。このファンダメンタルズを重視して今後戦略を立てていく必要があると考えています。今週も押し目買い戦略は控えめに、戻り売り戦略をメインにご紹介しました。