【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 33,912.44 △151.39 (8/15)
NASDAQ: 13,128.05 △80.87 (8/15)
1.概況
米国市場はインフレがピークアウトしたとの期待が相場の支えとなり続伸となりました。50ドル安でスタートしたダウ平均は中国の経済指標が市場予想を下回ったことや、製造業の景況指数が大幅に悪化したこともあって朝方に178ドル安まで下落しましたが、持ち直すと午後に入って買いが優勢となり昼過ぎには193ドル高まで上昇しました。その後ダウ平均は伸び悩んだものの大きく押すことなく堅調に推移すると結局151ドル高の33,912ドルで取引を終え4日続伸となりました。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も80ポイント高の13,128ポイントとなり続伸となっています。
2.経済指標等
8月のニューヨーク連銀製造業景況指数はマイナス31.3と前月から大幅に低下しプラスを見込んでいた市場予想も大きく下回りました。8月の全米住宅建設業協会(NAHB)の米住宅市場指数も49と前月から低下し市場予想を下回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち生活必需品や公益事業、情報技術などの9業種が上げ、生活必需品は1%余り上昇しました。一方でエネルギーと素材の2業種が下げ、エネルギーは2%近く下落しています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄ではビザ(V)が2%以上上げ上昇率トップとなったほか、米投資ファンドのサード・ポイントが株式を新規取得したことが明らかとなったウォルト・ディズニー(DIS)も2%を超える上昇となりビザに次ぐ上昇率となりました。また、プロクター・アンド・ギャンブル(PG)とコカ・コーラ(KO)、マクドナルド(MCD)、ウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)、アムジェン(AMGN)も1%以上上げています。一方で原油価格の下落を受けてシェブロン(CVX)が2%近く下げ下落率トップとなり、ダウ(DOW)も1%以上下落しています。
ダウ平均構成銘柄以外では、特典付きの有料会員プランの加入者数が100万人を超えたと発表した写真・動画共有アプリのスナップ(SNAP)が5%以上上げました。バイオ製薬大手のギリアド・サイエンシズ(GILD)も開発中の乳がん治療薬の臨床試験で有効性が確認されたと発表したことで5%を上回る上昇となっています。
5.為替・金利等
長期金利は0.05%低い2.79%となりました。ドル円は133円台前半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株高を受けて堅調なスタートが予想されます。こうしたなか短期的な過熱感も意識されるなかで日経平均が一日を通して堅調さを維持できるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)