東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は5日ぶりに反落となりました。12円安の28,236円で寄り付いた日経平均は直後に8円高の28,257円を付けましたが、昨日の終値をわずかに上回ったところで上値が押さえられると下げ幅を広げ10時50分前に272円安の27,976円まで下落し239円安の28,009円で前場を終えました。253円安の27,996円でスタートした後場の日経平均は13時20分前に282円安の27,966円まで下落した後やや戻すと結局249円安の27,999円で取引を終えています。一方で新興株は高く東証マザーズ指数が上昇となっています。
2.個別銘柄等
第1四半期決算を発表したデサント(8114)や日産化学(4021)が大幅高となりました。デサントは日本や韓国での販売が好調なことから通期の営業利益の見通しを60億円から67億円に上方修正したことで17.1%上昇しストップ高となり、日産化学も農業化学品製品や半導体材料製品が想定以上に好調に推移していることなどで通期の営業利益の見通しを535億円から551億円に上方修正したことで7.0%高となりました。INPEX(1605)も一時5.4%高となりました。ウクライナ危機による原油高や円安を受けて2022年12月期の営業利益の見通しを9240億円から1兆1330億円に引き上げ初めて1兆円の大台に乗せる見込みとなったことや自社株買いを発表したことで買いが優勢となりました。
東証スタンダード市場ではワークマン(7564)が5.3%高となり年初来高値を更新しました。行動制限の緩和や好天候を受けて客足が伸びたことなどで第1四半期の営業利益が前年同期比で4.4%増となり上期会社計画に対する進捗率が62.9%となり好スタートを切ったことで大幅高となりました。
一方でソフトバンクグループ(9984)が7.0%安となりました。米金利上昇をきっかけに世界的にハイテク株が下落したあおりを受け未上場企業に投資するビジョン・ファンドの運用成績が急激に悪化したことなどで第1四半期の最終損益が3兆1627億円の赤字となったことで売りがかさみました。東京エレクトロン(8035)も中国のロックダウンなどの物流混乱で半導体製造装置の出荷が一部遅れたことなどで第1四半期の営業利益が前年同期比で17.1%減となったことで8.2%安となり、東京エレクトロンとソフトバンクグループの2銘柄で日経平均を228円押し下げています。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は249円安となりました。米国市場が小幅に高安まちまちとなり新たな買い材料に乏しいなか小幅に下落してスタートすると東京エレクトロンやソフトバンクグループといった指数寄与度の大きい銘柄が大幅安となったこともあって下げ幅を広げ節目の28,000円をわずかに割り込みました。明日は夜に7月の米消費者物価指数(CPI)の発表を控え様子見になりやすいといえますが、こうしたなかで28,000円を回復できるかがポイントとなりそうです。
なお、先月下旬からスタートした決算発表も終盤ですが本日も引け後にはテルモ(4543)や出光興産(5019)、IHI(7013)、マツダ(7261)、オリンパス(7733)、セコム(9735)などが決算を発表する予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)