【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 32,803.47  △76.65 (8/5)
NASDAQ: 12,657.56  ▼63.03 (8/5)

1.概況

米国市場は小幅に高安まちまちとなりました。米雇用統計で雇用者数が市場予想を大きく上回ったことでダウ平均は景気後退懸念が和らぎ金融株や景気敏感株に買いが入り上昇となりましたが、S&P500株価指数とナスダック総合株価指数は米連邦準備理事会(FRB)の積極的な金融引き締めが続くとの見方からハイテク株に売りが出て下落となりました。132ドル安でスタートしたダウ平均は直後に237ドル安まで下落した後持ち直すと午後に入って前日終値を挟んで小幅に揉み合う展開となりましたが、引けにかけてやや買いが優勢になると結局76ドル高の32,803ドルで取引を終え反発となりました。

一方でS&P500株価指数が6ポイント安の4,145ポイントと続落となったほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も63ポイント安の12,657ポイントと3日ぶりに反落となっています。

2.経済指標等

7月の米雇用統計で非農業部門雇用者数は前月比52万8000人増となり市場予想を大きく上回りました。また、失業率も3.5%と横ばいを見込んでいた市場予想に反して改善しています。さらに6月の米消費者信用残高は前月比401億5000万ドル増となり市場予想を上回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち一般消費財・サービスやコミュニケーション・サービス、公益事業などの6業種が下げ、一般消費財・サービスは1%を超える下落となりました。一方でエネルギーや金融、素材などの5業種が上げ、エネルギーは2%高となっています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄では長期金利の上昇を受けてJPモルガン・チェース(JPM)が3%高となり上昇率トップとなったほか、シェブロン(CVX)とベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)、ビザ(V)も1%以上上げました。また、ダウ(DOW)とキャタピラー(CAT)も1%近く上昇しています。一方でウォルト・ディズニー(DIS)が1%以上下落し、ボーイング(BA)も1%近く下げています。

ダウ平均構成銘柄以外では、ハイテク株に売りが出るなか電気自動車のテスラ(TSLA)が6%を上回る下落となり、フェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ(META)も2%安となりました。さらに半導体株も安くなかでもウエスタンデジタル(WDC)が5%を超える下落となり、マイクロン・テクノロジー(MU)も3%を以上下げています。配車大手のリフト(LYFT)は第2四半期決算で調整後の営業利益が過去最高となったことで16%を超える上昇となっています。

5.為替・金利等

長期金利は米雇用統計で雇用者数が市場予想を大きく上回ったことで0.14%高い2.83%となりました。ドル円は円安に振れ135円近辺で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は先週末の米国市場が小幅に高安まちまちとなり新たな買い材料になりにくいことから軟調なスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が下げ渋り底堅さをみせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)