今週(7月29日~8月4日)の相場動向

相場回顧 BTC:米中関係の緊迫化により軟調な推移、ハッキング事件も相次ぐ

ビットコインは米FOMC通過後にBTC=322万円(24,000ドル)付近まで上昇してからはもみ合いとなった。米国における過度な利上げへの懸念が後退するなか一時BTC=335万(25,000ドル)を試す場面もみられたが上値は重くなった。その後、米ペロシ下院議長の台湾往訪を巡って米中関係の緊張が高まり、米国株とともに売りが強まった。米連銀総裁によるタカ派寄りの発言が相次いだこともリスクオンムードを後退させた。DeFi関連サービスでの大規模なハッキング事件を受けてイーサリアムも弱い値動きとなり、BTC=308万円(23,000ドル)付近まで価格を下げた。ペロシ米下院議長が台湾往訪を終えた後には緊張緩和により米国株とともに買い戻しが強まったが、ソラナウォレットで大量の不正流出が発覚したことで再び下落した。週末にかけては米雇用統計の結果を見極めようと様子見姿勢が強まった。

 

来週(8月4日~8月11日)の相場予想

BTCは米中対立が新たな懸念だが、米インフレ・ピークアウトなら再浮上も

金融市場では新たな懸念として米中対立が意識されている。中国は軍事行動も辞さない姿勢を示しており、米ペロシ下院議員の台湾往訪を受けて中国が報復的な行動に出た場合には米中関係の緊迫化により株式とともに売られることは考えられる。また、次回FOMCでの利上げ方針に関して当局者らの発言が目立っている。来週に発表される7月の消費者物価指数について、市場では伸びの鈍化が予想されているが、インフレのピークアウトが示唆された場合には再浮上することも考えられる。

暗号資産市場ではPoS移行が近いイーサリアムへの期待が継続している。来週にはテストネット上での最終テストを控えており、9月の本番環境への実装に向けて期待が高まれば買いが強まることも考えられる。また、来週はコインベース【COIN】の決算発表を8月9日に控える。市況悪化による業績の低迷は避けられないだろうが、つい先日発表したブラックロックとの提携に関する説明や、直近の機関投資家の参入状況などに注目が集まる。これらを市場が評価した際には相場にもポジティブな影響が及ぶだろう。

直近上値としてBTC=335万円(25,000ドル)、BTC=268万円(20,000ドル)を意識する。

1ドル=134円換算(執筆時点)