先週、米CPI(消費者物価指数)が発表され、前年同月比9.1%上昇という事前予想の8.6%上昇を大きく上回る結果となりました。発表後、BTC(ビットコイン)やETH(イーサリアム)は急落し、BTCは260万円台を付け、ETHは一時14万円を割りました。その後、BTC、ETHは急反発しました。特にETHは大きく上昇し、本日(7月19日)一時21万円を突破しました。

暗号資産市場に混乱をもたらしていた暗号資産レンディングサービス企業の破綻が既に織り込み済みとなったことや、コモディティ市場の大幅下落、7月以降の米CPIが下落する可能性が高まったことなどが上記の反発につながったのではないかと考えています。

FOMC(米連邦公開市場委員会)は7月末に1%の利上げに踏み切るのではないかという見方も出ていますが、暗号資産市場はそのような事態も既に織り込み済みかもしれません。私は米CPIが発表された翌日から一気に強気目線に切り替えました。

今週もBTCからチャート分析をお伝えします。

BTC(ビットコイン)、400万円近くまで回復する可能性

【図表1】BTC/JPY 日足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

BTC/JPY日足分析です。

目先325-327万円付近にレジスタンスラインが控えており、そこで押さえ込まれやすいと考えています。しかし、SMA30(1ヶ月移動平均線)を超えた水準で数日間推移していることから、反発の可能性が高まってきました。

2022年4月半ば(チャート左上)、SMA30を下回ったのち、何度も抵抗帯となり、最後は大きく下落していきましたが、今回は逆のパターンだと予想されます。

緑色のレジスタンスラインを突破しますと、大きなショートカバーを誘発しますので、400万円まで回復する可能性も出てきそうです。短期的にリスクオン方向で取引できるのではないかと考えています。このままコモディティ市況も回復しなければ、6月インフレピークアウト説が高まるように思います。FRB(米連邦準備制度理事会)の利上げペースは秋以降、鈍化する可能性も考えられますので、株式市場も反発するのではないかと予想しています。

今週は、現状水準から300万円をバックに買いトレード目線で臨みたいと思います。

ETH(イーサリアム)は一気に急反発

【図表2】ETH/JPY 日足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

ETH/JPY日足チャートです。

こちらはBTCと比べて一足早く重要なレジスタンスラインを突破しました。前回のコラムでお伝えしました暗号資産レンディングサービス企業やクリプト業界のベンチャーキャピタルの破産申請が続いたため、暗号資産市場では懸念が広がっていましたが、これらの悪材料が出尽くしたのではないかと思います。

目先SMA30がレジスタンスとなりそうです。一旦、ここで上値を抑え込まれながらも押したところでは買いを検討できると思います。この上昇トレンドは予想外の展開なので、仕込みたかった投資家もまだ多く残されているでしょう。彼らから断続的な買いが浅い押し目で入ってくるので、そこまで深く押すとは考えにくい状況です。

以下、4時間足でテクニカルポイントを見ていきましょう。

【図表3】ETH/JPY 4時間足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

目先4時間足は、押し目のサポートラインが引ける19万8000円付近、またはトレンドラインと考えるのが妥当でしょう。今週はこの浅い押し目を狙った買いトレード戦略をベースに検討していきたいと思います。このサポートラインで買い向かうトレーダーが多いと考えられますので、余裕を持って20万円台前半から買いを入れるのも1つの選択肢でしょう。

MACDは完全に陽転しました。まだダイバージェンスしていません。SMA7→30→90と典型的な上昇トレンド開始の並び順です。もう一段高を狙いやすい形状が示唆されています。

ETHは上昇しやすいポジションにあると思います。私は20-21万円の浅い押し目から23-25万円の短期的なトレードを狙った戦略で考えています。

私は、強めの反発相場を予想しています。BTCもETHも浅い押し目からエントリーし、短期的な買いトレードで臨みたいと思います。