ステーブルコイン「テラ」(LUNA)の暴落から飛び火したかたちで一部の暗号資産レンディングサービス企業やクリプト業界のベンチャーキャピタルの清算が進んでいます。関連企業の破産申請がしばらく続くのではないかと思います。
7月1日、暗号資産レンディング大手「ブロックファイ(Block-Fi)」の救済案が報じられました。その後、安堵感が広がり、BTCやETHは上昇しました。
先週、BTCは一時300万円を超えましたが、週末から本日(7月11日)にかけて徐々に下値を切り下げています。切り下げ方を見ていますと、短い時間足でのサポートラインで瞬間的に反発するも、すぐに押し戻されており、上昇エネルギーが乏しいように思います。明らかに新しい資金が暗号資産市場に流入していないように感じます。インフレを警戒した資金のキャッシュ回帰がその要因の1つではないでしょうか。
今週は6月の米CPI(消費者物価指数)が発表される予定です。市場予想は+8.8%(前年同月比)となっており、前回の+8.6%を上回る予想となっています。一向に下がる気配がありません。
また先週金曜日(7月8日)に発表された6月の米雇用統計は市場予想を上回りました。そのことは6月末に行われるFOMC(米連邦公開市場委員会)で0.75%の利上げ(政策金利の引き上げ)を決定づけたのではないかと思います。よって、株式市場や暗号資産市場にとって、まだ上値を抑えるファンダメンタルズ要素が多い状況です。
BTC(ビットコイン)、MACD0.00回帰は下落再開の兆候か
BTC/JPY日足分析から始めます。
下降トレンドラインに徐々に近づいてきており、SMA30と重なるように推移しています。日足SMA30(1ヶ月移動平均線)とは相性が良く、上抜ければ買い、下抜ければ売りです。今回、反転を示唆したように見えます。一時的に直近高値を超えていますので、上昇に期待がかかりました。しかし、この週末は高値を超えてから断続的に下落しており、7月に入ってからの上昇の半分を失いつつあります。
MACDも0.00付近まで戻ってきたことを考慮しますと、あと数日で0.00付近まで回復しそうです。つまり、再び下落エネルギーが溜まってきている状況だと考えられます。
続いて4時間足に時間軸を落とします。
280-281万円付近に水平サポートラインが引けます。ここで反発せずに徐々に下げますと、買い手が完全に逃げ遅れる地合いになります。したがって、ここを割り込めば、今度は280万円をバックにショート戦略でしょうか。
この半日のローソク足を見ると、4時間足で十字線が続いていますので反発に乏しさを感じます。一度、並行チャネルの下限ラインまで押し込まれることを想定した方が良いかもしれません。
買い戻し、または新規で買い向かうなら、この並行チャネルの下限ラインあたりからが良いのではないでしょうか。
250万円手前でサポートラインが引けそうです。ストップは250万円割れを意識し、買いトレードを狙うなら、このラインを意識した展開を想定しておくと良さそうです。
ETH(イーサリアム)、アセンディングトライアングルを形成中
続いて、ETH/JPY4時間足チャート分析です。
アセンディングトライアングルを形成しており、次の上値トライは大きく抜けやすい格好となります。17万4000円超えた場合、20万円回復が意識されるでしょう。
現在はトレンドラインにサポートされるように上昇しているため、買い向かうなら、この手前のラインからではないでしょうか。
ただし、このサポートラインを割り込み、15万円以下で推移し始める場合は、再び下落トレンドが意識されることになります。次のサポートラインは13万円台後半に引けますので、このラインでの攻防となるでしょう。
ストップを置くなら、およそ13万円〜13万5000円の水準で考え、2番底からの反転なのか、下落トレンド再開なのかを見極めた方が良いと思います。
私は、BTCもETHもトレンドが一巡し終えたように感じています。しばらく上値が重いボトム圏内でのレンジ相場を意識しています。向こう1週間は上昇時には戻り売り、下落時には買い戻しのトレードが機能するように思います。