米国企業決算は一部の銀行株が苦戦
先週のS&P500は0.93%の下げ、ナスダック100は1.17%下げて1週間を終えました。
7月11日(月)から14日(木)までで2.8%下がっていたマーケットですが、15日(金)にはユナイテッドヘルス・グループ(UNH)やシティグループ(C)の好決算を受け、主要株価指数は上昇、1週間の下げ幅を幾分か取り戻しました。
市場の注目を集めていた6月のCPI(消費者物価指数)が13日に発表され、前年比8.8%の事前予想に対し、9.1%という結果でした。これを受けS&P500は寄り前には2%程度下落していたものの、ザラ場中に株価はリバウンド、その日は0.3%の下げにとどまり1日を終えました。投資家はインフレ慣れしたというか、また悪かったのかという反応です。
第2四半期の決算発表については、先週末までにS&P500社のうち33社が決算発表を終えています。今期の決算発表は、前年比で4%の増益予想です。これまでのところ9.9%の減益という結果ですが、この足を引っ張っているのは一部の銀行銘柄です。
14日(木)に発表されたJPモルガン(JPM)の決算発表では事前予想を4.3%下回り、株価は1日で3.5%下落、2020年11月以来の安値となっています。ただし、同社の株価については、2020年10月から決算が事前予想を上回っても下回っても決算発表後、毎回株価が下落してきましたので、今回の下げも、ある意味想定内の出来事でした。
一方、15日(金)に決算発表を行った同じくグローバル金融大手のシティグループは、市場のボラティリティ上昇を受けてトレーディング収益が大幅増となり、投資銀行部門の不振を相殺したことで、減益幅は市場予想より小幅にとどまり、株価は13%超上昇しています。
また、同日に発表された管理医療システム大手のユナイテッドヘルス・グループの決算発表も事前予想を上回り、ガイダンスの引き上げがあったこともあり、株価は15日に5%上がり、市場の上昇要因となりました。
今後もしばらくは企業決算に一喜一憂する展開が続きそうです。
2022年前半のマーケットを振り返って思うこと
2022年前半のマーケットを振り返って思い出した言葉を紹介したいと思います。この言葉は米著名投資家ウォーレン・バフェット氏が2008年の金融危機の際にニューヨークタイムズに寄稿した記事の一部です。
株式市場の過去100年を振り返ると、株式投資で損をする方が難しい。それにも関わらず、損をする人は多い。不遇な投資家は、環境が良い時だけ投資し、マスコミの記事の見出しが恐怖感をもたらすときに売却するからだ
非常に考えさせられる言葉ではないでしょうか。
今週注目の決算発表
これからのマーケットの注目は引き続き第2四半期の決算発表です。今週決算発表が予定されているS&P500採用主要銘柄は以下の通りです。
7月19日(火)
ハリバートン(HAL)
ネットフリックス(NFLX)
7月20日(水)
テスラ(TSLA)
7月21日(木)
AT&T (T)
7月22日(金)
アメリカン・エキスプレス(AXP)
ベライゾン・コミュニケーション(VZ)