モトリーフール米国本社、2022年7月12日 投稿記事より

主なポイント

・ネットフリックスは、過去2回の決算発表後にいずれも株価が急落
・弱気派は間違った数字を見ており、実際には事業は好調
・ネットフリックスの長期的に明るい未来を予想するなら、業績がアップデートされる前に少しでも投資すべき


決算発表を目前に控えた動画配信大手ネットフリックスに賢く投資する2つの方法

動画配信大手のネットフリックスは、7月19日に予定されている第2四半期決算発表を前に大暴落しています。株価は年初来で70%下落し、2017年以来の安値となっています。しかも、過去2回の決算では、いずれも発表後に株価が急落しています。

今度の第2四半期決算発表でも、再び深みに落ちる可能性は十分にありますが、逆に株価に火が付いて急騰する可能性もあります。このような状況に対するアプローチはさまざまありますが、その中で特に適切と思われる2つの投資戦略を紹介します。

基本的な前提

今回の重要な決算発表に絡めてネットフリックスに投資する具体的な方法を紹介する前に、同社の長期的未来についての認識を共有しておきましょう。

ネットフリックスの会員数は、2022年3月末時点で2億2,160万人です。前年同期比では7%増加していますが、2021年12月末時点の2億2,180万人からは減少しました。また、経営陣のガイダンスによると、2022年第2四半期に会員数は200万人減少する見通しです。長年にわたって好調だった会員数の伸びが突然止まったことで、多くの投資家は「売り」ボタンを押し、失望と共にネットフリックス株から離れて行きました。

ところが、ネットフリックスはここ数四半期の間に、方針を大きく転換しています。以前は唯一の重要な指標として会員数の伸びばかりを重視していましたが、今はそうではありません。同社は現在、収益性を伴う成長に焦点を当てており、その一環として、収益性の低いアカウントには目もくれず、その代わりに、サブスクリプション契約の利益率向上を図っています。会員数の伸びが鈍化しても、利益率の高いサブスクリプション契約が増加することで、売上高は堅調に伸びています。

そして第2四半期に会員数が減少したとしても、こうした売上高の好調トレンドはしばらく続くと思われます。ガイダンスでは、前年同期比で9.7%の増収を見込んでいます。

長期的に見ると、ネットフリックスが注力するストリーミングサービス市場は、世界の多くの市場で、依然として初期段階にすぎません。同社には、デジタルストリーミングが地上波テレビ、ケーブルテレビ、衛星放送といったサービスに完全に取って代わるという壮大なビジョンがあります。同時に、より多くの国が、サブスクリプション型のメディアプラットフォームをサポートする上で必要な、高速インターネット接続や信頼性の高いデジタル決済システムにアクセスできるようになるでしょう。

今の相場でネットフリックス株をどう検討するべきか?

長期的な目標は壮大で、ネットフリックスはいずれ、現在の何倍もの規模の世界市場に到達するはずです。それと並行して、各アカウントの収益性はますます向上しています。

このような背景から、ネットフリックスのビジネスは今後数年にわたり、株主に優しい増収増益を実現すると予想されます。そのため、現在の株価下落は千載一遇のチャンスと言えます。

これらの基本的前提に同意できないのであれば、ネットフリックスへの投資はお勧めしません。しかし、ネットフリックスが驚くほど過小評価されており、巨大な未来が待ち受けているという意見に同意するなら、賢明な選択肢として以下の2つをお勧めします。


1. すぐにネットフリックス株を買って、振り返らない。第2四半期決算を受けて株価が上昇しようと下落しようと、買うと決めたのはあなたです。

2. ネットフリックスへの投資資金を半分に分け、半分で決算発表前のネットフリックス株を買って、株価の変動に任せます。残りの半分は、7月20日以降に買います。


2つ目の選択肢は、決算発表後の株価変動の影響が半分になります。特に、決算後に株価が下落した場合、この方法の方が気持ちは楽なはずです。さらに、決算内容を実際に見た上で、最初の半分で投資を止めることもできます。柔軟性は、長期投資家にとって素晴らしい特性であり、柔軟なアプローチには全面的に敬意を払います。

とはいえ、決算発表前に一気にネットフリックスに投資したとしても、必ずしもこれで終わりというわけではありません。投資資金の余裕と決算内容によっては、発表後に追加投資するのもありかもしれません。

いずれにせよ、目の前に開かれている買い場を何もせずに見送ってしまうのは、賢明ではありません。投資はマラソンであり、短距離走ではありませんし、ネットフリックスは長い目で見れば、ほぼ間違いなく勝者となるでしょう。

免責事項と開示事項  記事は一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。元記事の筆者Anders Bylundは、ネットフリックスの株式を保有しています。モトリーフール米国本社はネットフリックスの株式を保有し、推奨しています。モトリーフールは情報開示方針を定めています。