今週(7月1日~7月7日)の相場動向
相場回顧 BTC:暗号資産関連企業の破綻相次ぐも底堅い推移
ビットコインは米国の5月個人消費支出の伸び鈍化を受けて米国株とともに売りが強まった。BTC=258万円(19,000ドル)を割り込むと割安感から急反発したが、たちまち急落し、セルシウスやブロックファイなどの経営状況に関する思惑が交錯するなか荒い値動きとなった。その後もスリーアロウズキャピタルの破綻申請や、そのほか暗号資産レンディング企業の出金制限など悪材料が相次ぎ軟調な推移となった。しかし、バイナンスやFTXといった大手暗号資産取引所が暗号資産関連企業を救済する動きもあり、BTC=258万円(19,000ドル)付近では底堅い値動きとなった。米国金利の上昇が一服したことを受けて次第に買い戻しが入り、5日にはBTC=272万円(20,000ドル)を回復した。ボイジャーグループの破綻申請などにより再び下落する場面はみられたが、米FOMC議事要旨でサプライズがなかったことから通過後には米国株とともに堅調に推移した。イーサリアムがアップデート期待から回復傾向にあったことも買い安心感につながった。週末にかけては6月の米雇用統計を見極めようと様子見ムードが広がった。
来週(7月8日~7月14日)の相場予想
BTCは悪材料出尽くし感から買い戻しが強まることも、米消費者物価指数に注目
金融市場では米国における景気後退懸念が強まっており、金利が少しずつ低下している。このまま経済指標の悪化などによって景気後退懸念が過度に意識されれば株式とともに売りが強まることも考えられるだろう。一方、金利低下が好感されて買いが入ることも考えられ、価格を下げた場合でも相応に底堅さを示すだろう。
来週は6月の米消費者物価指数の発表があり、数値が高止まりとなった場合にはインフレ懸念の再燃により下落する可能性もある。再び新型コロナ感染者が増えている中国の四半期国内GDPにも注目であり、米国と並んで景気後退懸念が意識されたときにはやはり売りに警戒である。
暗号資産市場では相場下落の影響を受けて破綻申請や財務整理を行う暗号資産関連企業が次々に出ている。来週もこの連鎖的な倒産が続いた場合には引き続きネガティブな状況だが、BTC=272万円(20,000ドル)付近で安定して推移し、悪材料の出尽くしが意識された場合には買い戻しが強まることも考えられる。
直近上値としてBTC=313万円(23,000ドル)、下値としてBTC=258万円(19,000ドル)を意識する。
※ 1ドル136円で換算(7月8日時点)