東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は米国株高を受けて4日ぶりに反発しました。151円高の26,086円で寄り付いた日経平均は取引開始から20分で323円高の26,258円まで上昇しましたが、朝方の買い一巡後に伸び悩むと10時30分過ぎに10円高の25,945円まで上げ幅を縮めました。しかし、節目の26,000円を割り込んだことで押し目買いも入りマイナスになることなく踏み止まると持ち直し149円高の26,085円で前場を終えました。153円高の26,088円でスタートした後場の日経平均は13時40分前に107円高の26,043円までやや弱含んだ後上げ幅を広げると大引け間際に227円高の26,163円まで上昇し結局218円高の26,153円で取引を終えています。こうしたなか新興株も高く東証マザーズ指数が上昇となっています。
2.個別銘柄等
セブン&アイ・ホールディングス(3382)が3.0%高となりました。百貨店子会社そごう・西武の売却を巡り投資ファンドの米フォートレス・インベストメント・グループが優先交渉権を得たことが伝わったことで売却に向けた交渉が進んでいるとの見方から買いが優勢となりました。ニトリホールディングス(9843)も3.6%高となりました。円安や物流費の上昇などで第1四半期の営業利益は前年同期比で13.7%減となりましたが、悪材料出尽くしとみた買いが入り大幅高となりました。東京電力ホールディングス(9501)も13.0%高となり年初来高値を更新しました。岸田文雄首相がテレビ番組で原発について安全対策や地元の理解を前提に最大限活用すると語ったことで原発再稼働への期待が改めて高まりました。
東証スタンダード市場ではワークマン(7564)も10.9%高となり年初来高値を更新しました。気温の上昇を受けて空調ファン付きウエアやレディース衣料、半袖Tシャツなどの夏物衣料が好調に推移したことから6月の既存店売上高が前年同月比14.1%増と高い伸びとなったことを好感した買いが入りました。
一方で百貨店株が軒並み売られました。6月の国内百貨店の売上高の伸びが前月から大きく鈍化したことが嫌気されました。三越伊勢丹ホールディングス(3099)が4.2%安、J.フロント リテイリング(3086)が5.6%安、エイチ・ツー・オーリテイリング(8242)も一時3.7%安となっています。KDDI(9433)も携帯電話サービスやインターネット通信で大規模なシステム障害が発生したことで一時3.9%安となっています。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は218円高となりました。先週末の米国市場が米長期金利の低下を受けてハイテク株などが買われ反発したことで買いが優勢となりました。先週末までの3日間で1,100円以上も下げたこともあって一時は300円以上上げる場面もありましたが、今晩の米国市場が独立記念日の祝日で休場となるうえ、今週は米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨の公表や米雇用統計の発表などを控えていることもあって朝方の買い一巡後には伸び悩みました。しかし、節目の26,000円を割り込んだところでは押し目買いもみられ26,000円を回復しています。今週は重要なイベントを控え様子見になりやすいといえますが、こうしたなかで明日以降も26,000円を維持しさらに水準を切り上げることができるかがポイントとなりそうです。
なお、小売り企業の決算発表が続いていますが本日も引け後にクスリのアオキホールディングス(3549)やアークランドサカモト(9842)などが決算を発表する予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)