東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は米国株高を受けて3日続伸となりました。249円高の26,741円で寄り付いた日経平均は伸び悩むと10時過ぎに173円高の26,665円まで上げ幅を縮めましたが、その後上げ幅を広げ11時過ぎに348円高の26,840円まで上昇すると276円高の26,768円で前場を終えました。334円高の26,826円でスタートした後場の日経平均は一段高となり14時10分前に446円高の26,938円まで上昇した後やや上げ幅を縮めましたが、26,800円を上回って推移すると結局379円高の26,871円で取引を終えています。こうしたなか新興株も堅調で東証マザーズ指数が上昇となっています。
2.個別銘柄等
大塚ホールディングス(4578)が5.4%高となり年初来高値を更新しました。子会社の大塚製薬が創薬した抗精神病薬「ブレクスピプラゾール」についてアルツハイマー型の認知症による行動障害を対象としたグローバルの第3相臨床試験(治験)で主要な評価項目などを達成したと公表したことで将来の収益貢献を期待した買いが入りました。サッポロホールディングス(2501)も一時5.2%高となり年初来高値を更新しました。子会社を通じ米カリフォルニア州のクラフトビールメーカーのストーンブリューイングを買収すると発表したことを材料視した買いが入りました。
日清紡ホールディングス(3105)も一時3.6%高となりました。100億円を投じ2024年末に燃料電池で発電のための化学反応を起こすのに必要なセパレーターと呼ぶ部品をつくる新工場を国内に建てると伝わったことで将来の収益貢献を期待した買いが入りました。サイバーエージェント(4751)も4.0%高となりました。スマホ向けゲーム「ウマ娘 プリティーダービー」の台湾版の配信が始まったことから収益拡大を期待した買いが入りました。ミスミグループ(9962)も5.7%高となりました。金型部品事業が伸びたことなどで5月の売上高が前年比5.9%増と3ヶ月ぶりプラスに転じたことを好感した買いが入りました。
また、気象庁が関東甲信や東海などの各地方で梅雨明けしたとみられると発表するなか冷奴の需要増加期待で豆腐や油揚げの製造大手のやまみ(2820)が8.9%高となり、東証スタンダード市場ではアイスクリームや冷凍食品の卸売りなどを手がけるアイスコ(7698)が9.7%高となり年初来高値を更新しています。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は379円高となりました。短期的な戻りを期待した買いが入ったことや、米ミシガン大学消費者態度指数確報値での1年先と5年先の期待インフレ率が速報値から低下したことも好感され先週末の米国市場が大幅続伸となったことで買いが優勢となりました。上げ幅を広げ先週末に引けで超えることのできなかった節目の26,500円や一目均衡表の雲(26,510円)に加え、75日移動平均線(26,852円)も上回ってきたことから明日以降の展開に期待が持てそうですが、引き続き買いが優勢となった場合には25日移動平均線(26,971円)や節目の27,000円を回復できるかがポイントとなりそうです。なお、今週から小売り企業を中心とした2月決算企業の第1四半期決算発表が徐々に本格化しますが本日も引け後にあさひ(3333)やしまむら(8227)などが決算を発表する予定です。
また、日本時間の21時30分には5月の米耐久財受注額が発表される予定です。さらに27日の米国ではナイキ(NKE)などが決算発表を予定しています。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)