東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は3日ぶりに大幅反発となりました。299円高の26,070円で寄り付いた日経平均は直後に201円高の25,972円までやや弱含んだ後上げ幅を広げると11時過ぎに494円高の26,265円まで上昇し453円高の26,225円で前場を終えました。497円高の26,269円でスタートした後場の日経平均は一段高となり14時10分に647円高の26,418円まで上昇した後、大引け間際に465円高の26,236円まで上げ幅を縮めると結局475円高の26,246円で取引を終えています。こうしたなか新興株も高く東証マザーズ指数が4.1%高となっています。

2.個別銘柄等

IHI(7013)が4.0%高となりました。二酸化炭素(CO2)の排出を実質ゼロにできる都市ガス原料の合成メタンを燃料に使う自動車を走らせる実証実験を年内に始めると伝わったことが材料視されました。サイバーエージェント(4751)も6.3%高となりました。スマホ向けゲーム「ウマ娘 プリティーダービー」の韓国語版の配信を始めたと発表したことで収益拡大を期待した買いが入りました。

石炭商社の三井松島ホールディングス(1518)も12.4%高となりました。ドイツ政府が天然ガスの消費量を抑え、代わりに石炭火力発電の稼働を増やす緊急措置を決めたと伝わったことで今後の石炭需要の拡大を期待した買いが入りました。再生可能エネルギー事業を手掛けるレノバ(9519)も15.6%高となりました。昨年末に洋上風力発電で初の大規模案件となる秋田県沖と千葉県沖の3区域全ての事業者に三菱商事連合が選ばれるなか、洋上風力の推進を議論する審議会で経済産業省と国土交通省が1企業連合の落札可能区域を制限する具体策を示したと報じられたことでレノバが今後、事業者として選ばれる可能性が高まったとして買いを集めました。

また、国際航空運送協会(IATA)が航空業界が新型コロナウイルス禍から急速に回復していることから来年には黒字を計上できる可能性があるとの見方を示したことで日本航空(9201)やANAホールディングス(9202)が高く、日本航空が3.4%高、ANAホールディングスも2.9%高となりました。さらに投資判断や目標株価の引き上げを受けて買われたのがダイフク(6383)やSCSK(9719)で、ダイフクが投資判断の引き上げを受けて4.6%高となり、SCSKも投資判断と目標株価の引き上げを受けて4.1%高となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は475円高となりました。昨日の米国市場が休場となるなか欧米市場が堅調だったことや、16日の反発を挟んで昨日までの7日間で2,500円近くも下げていた反動もあり買いが優勢となりました。また、時間外の米株価指数先物が大幅高となったこともあって節目の26,000円を上回り上げ幅を広げました。そのため下値への警戒感も一旦は後退しそうですが、半年に一度のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言を控え様子見になりやすいなかで明日も大幅高となった本日の堅調な地合いを引き続き維持できるかがポイントとなりそうです。なお、日本時間の23時には5月の米中古住宅販売件数が発表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)