先週発表された米CPI(消費者物価指数)は市場予想を大きく上回る+8.6%(前年同月比)となりました。1-2ヶ月前にはインフレがピークアウトしたのではないかという見方もありましたが、そういった見方は覆されました。
また、先週行われたECB(欧州中央銀行)の理事会では、政策金利に変更はなかったものの、7月に0.25%の利上げに踏み切る方針が示されました。さらに9月にも0.5%または0.75%の利上げを実施するのではないかという見通しも出てきています。金融引き締めの動きが世界的に加速してきました。
これを受けて株式市場や暗号資産市場は下落、NYダウ平均株価は再び3万ドル方向に向かって動いており、ナスダック株価指数も今週安値を更新するかもしれません。BTC(ビットコイン)はまだ耐えていますが、ETH(イーサリアム)をはじめ、アルトコインでは2022年の安値を割り込んだコインが目立ちます。
今後さらにキャッシュに戻る動きが出てきそうで、上昇のタイミングを逃したように感じています。今週から再びベア目線に切り替えて相場を見ていこうと思います。
BTC(ビットコイン)、年初来安値に急接近
BTC/JPY日足チャート分析です。
SMA30を再び割り込み、日曜から本日(6月12日から13日)にかけて陰線が続いています。5月の安値は325万円ですので、目先この水準を目指す展開でしょうか。1ヶ月間揉み合い相場が続いたあとの下落トレンド再開ですから、調整しすぎたのかもしれません。
MACDも0.00付近に戻ってからのデッドクロスですから、日足ベースですと市場ポジションの傾きはほぼニュートラルです。もう一段下落する可能性があるので、325万円でのダブルボトムを付けにいくぐらいの余裕を持って対応したいところです。
2021年の安値は約310-320万円でした。仮にここを割り込む場合、週足レベルでヘッドアンドショルダー完成となります。つまりネックライン割れです。ドル建てでもネックライン割れですから、下落に拍車がかかると考えて良いでしょう。2017年の高値1BTC=2万ドルが次のサポートラインになります。その場合、1ドル=135円で換算すると270万円がターゲットとなりそうです。さすがにこの手前では一度大きく買い戻される可能性が高いので、この水準で買い戻しを検討するのも1つの選択肢です。私は6月に続落してこの水準に達するのであれば、買い向かいたいと思います。
ETH(イーサリアム)は底割れ開始
続いて、ETH/JPY日足チャート分析です。
5月の安値を大きく更新しました。非常に明確な形でディセンディングトライアングルが形成されています。もはや相当苦しい形です。サポートライン割れしたため、レジスタンスラインまで戻ればまた新規で戻り売りが入ってきやすいと思います。
2021年の安値は18万円台でした。仮に18万円を割り込むと週足でヘッドアンドショルダー完成となります。そうすると下値余地が大きく拡大しますので、レバレッジトレードで売りトレード開始といったところでしょうか。18万円を明確に割り込んで日足レベルでクローズするかどうか今週注目したいところです。
ETHの買いトレードは見送りです。次のサポートラインは見当たらないので10万円や15万円といった距離の離れたポイントからのトレードが中心となりそうです。
冒頭で述べた通り、米CPIはさらに上昇、ECBもついに金融引き締めに転じました。世界全体がインフレ退治のための策を打ちはじめています。私はしばらく暗号資産の上値は重いと判断し、今週より再び売り目線でマーケットを見ていく予定です。