今週(5月20日~5月26日)の相場動向

相場回顧 BTC:もみ合いの展開、米FOMC議事要旨も無難に通過

ビットコインはもみ合いの展開となった。テラ(UST)騒動によりステーブルコインへの懸念が強まっていたが、テザー(USDT)が最新の報告書を発表したことで買いが強まる場面も見られた。しかし、米ダウ平均がおよそ100年ぶりに8週連続の下落を記録し、金融市場全体の下落傾向が強く意識されるなか軟調な推移が続いた。米国株が反発するなかでは再び買いが強まったが、米FOMC議事要旨の発表を前に様子見する動きもあり、BTC=381万円(30000ドル)を超えた辺りでは上値が重くなった。発表ではFRBがインフレ抑制を優勢する姿勢が確認されたものの、先週のパウエルFRB議長の講演内容からサプライズはなく、無難に通過した。その後も方向感に乏しい値動きとなったが、週末にかけてはMove2Earnで人気を集めるステップン(STEPN)が大きく下落するなかでBTC=356万円(28000ドル)付近まで価格を下げた。

 

来週(5月27日~6月2日)の相場予想

BTCは米雇用統計次第ではさらなる下落も、規制動向にも注目

今回の米FOMC議事要旨によって6月と7月の会合における0.5ポイントの連続利上げが大方織り込み済となった。市場では利上げペースの加速が懸念されているが、パウエルFRB議長は0.75ポイントの利上げについては変わらず慎重な姿勢を示しており、一旦はイベント通過後の買いが強まることも考えられる。

一方で、米FRBは米国経済は強いという認識のもと大幅利上げに踏み切っており、この認識が新型コロナウイルスやウクライナ情勢など様々な要因によって崩れた場合にはスタグフレーション突入が意識される。来週は5月米雇用統計の発表を控え、特に賃金の伸びが鈍化した場合には景気後退懸念とともに売りが強まることもあるだろう。
暗号資産市場ではテラ騒動を受けた各国の規制強化に伴う売りが引き続き懸念される。今週のダボス会議では暗号資産の将来についてポジティブな意見もあったが、目先ではやはり規制の必要性が議論された。また、ステップン(STEPN)の下落によって〇〇2Earnゲームの持続性が再び試されており、その価値が崩壊した場合にはさらに売り圧がかかるだろう。

直近上値ではBTC=394万円(31000ドル)付近、直近下値ではBTC=330万円(26000ドル)付近を意識する。