東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は3日ぶりに反落となりました。3円高の27,005円でスタートした日経平均は寄り付きを高値に直ぐにマイナスに転じると下げ幅を広げ10時10分過ぎに191円安の26,809円まで下落しましたが、その後やや持ち直すと138円安の26,863円で前場を終えました。167円安の26,834円でスタートした後場の日経平均はさらに下げ幅を広げると大引け間際に265円安の26,736円まで下落し結局253円安の26,748円で取引を終えています。こうしたなか新興株も安く東証マザーズ指数が下落となっています。

2.個別銘柄等

岸田首相が防衛費を大幅に増やすと表明したことで防衛関連株が高く、三菱重工業(7011)が一時3.0%高となり年初来高値を更新したほか、IHI(7013)が一時3.4%高、東京計器(7721)も7.4%高となりました。また、投資判断や目標株価の引き上げを受けて買われたのが三菱HCキャピタル(8593)やDMG森精機(6141)、バンダイナムコホールディングス(7832)で、三菱HCキャピタルは投資判断と目標株価の引き上げを受けて一時3.3%高となり、DMG森精機も目標株価の引き上げを受けて4.9%高となりました。バンダイナムコホールディングスも目標株価の引き上げを受けて3.2%高となっています。

一方で西松屋チェーン(7545)が5.7%安となりました。気温の上昇が一服した月の後半に夏物衣料の販売が伸び悩んだことで5月の既存店売上高が前年同月比で1.2%減と5ヶ月ぶりの前年割れとなったことで大幅安となりました。しまむら(8227)も4.4%安となりました。5月の既存店売上高は前年同月比で1.8%増とプラスを維持しましたが4月の6.3%増から伸びが鈍化したことが嫌気されました。さらに投資判断と目標株価の引き下げを受けて売られたのがキッコーマン(2801)やリクルートホールディングス(6098)で、キッコーマンは目標株価の引き下げを受けて一時2.9%安となり、リクルートホールディングスも投資判断と目標株価の引き下げを受けて6.6%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は253円安となりました。米国株高を受けてわずかに上昇して寄り付きましたが、寄り付きを高値に伸び悩むと昨日に節目の27,000円を回復していたこともあって戻り待ちの売りが出て直ぐにマイナスとなり下げ幅を広げました。先月から27,000円を上回ると押し戻される展開が続いているだけに27,000円を超えたところでの上値の重さが改めて意識されそうです。なお、日本時間の22時45分に5月の米PMI速報値が発表されるほか、23時には4月の米新築住宅販売件数が発表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)