今週(4月15日~4月21日)の相場動向
相場回顧 BTC:インフレ懸念に一喜一憂するも一時BTC=42000ドルまで上昇
ビットコインは15日の米国市場が祝日で休場となるなかBTC=512万円(40000ドル)付近でもみ合いの展開となった。休暇明け、ロシア軍によるウクライナ東部への攻撃が激化し、原油価格が上昇したこともあって、インフレ懸念から株式市場とともに下落した。先月に続き、DeFi関連で230億円規模のハッキング事件が起きたことも売りを強めた。しかし、BTC=499万円(39000ドル)付近では底堅く、節目のBTC=499万円(39000ドル)を割ると、割安感からたちまち急反発した。その後、IMFが世界経済の見通しを下方修正したことなどを受けて原油価格の上昇が一服し、米国の好決算銘柄を中心に米国株が買われたこともあり、一時BTC=537万円(42000ドル)付近まで上昇した。注目されたテスラ【TSLA】の決算発表で、同社が現在までビットコインを保有し続けていることが明らかになったことも市場の安心感につながった。週末にかけては、米国利上げに関して当局者らの発言で様々な憶測が飛び交うなか、上値の重い展開となった。
来週(4月22日~4月28日)の相場予想
BTCは過度なインフレ懸念の和らぎとともに買いが戻るか、日銀黒田総裁の発言に注目
金融市場では、原油価格の上昇が落ち着くなかでインフレのピークアウトは近いとの声もあり、米国における過度な利上げへの懸念は和らぎつつある。このまま米企業決算の好調が続いた場合には株式市場とともに暗号資産の買いが強まることは考えられる。一方、米国当局者の発言を受けて5月米FOMCでの0.5ポイントの利上げは市場に大方織り込まれているが、さらにタカ派寄りの意見が出た場合には上値を重くするだろう。
また、最近ではドル指数とリスク資産で逆相関の傾向が強まっており、ドル指数に占める円の比率は13%程度だが、急速な円安進行によってドル指数が上昇した場合には暗号資産の売りが強まることも考えられる。来週は日銀金融政策決定会合後に黒田総裁の発言を控え、黒田総裁から円安進行を抑制する発言があった時には暗号資産の買い、逆に日米金利差拡大を示唆する発言があった時には円安進行とともに暗号資産の売りが強まる可能性はあるだろう。
来週はビットコインおよびイーサリアムの現物ETFが豪州で初めて上場する予定であり、取引開始による資金流入にも期待である。直近上値としてBTC=563万円(44000ドル)、下値としてBTC=499万円(39000ドル)を意識する。