今週(4月8日~4月14日)の相場動向

相場回顧 BTC:金融引き締め懸念により売りが継続するも、底堅く推移

ビットコインは、米国における金融引き締め加速への警戒感が強まるなか、株式市場とともに売りが継続した。マイアミで開催された大型のビットコインカンファレンスに注目が集まったが大きなニュースは出なかった。ロシア軍によるウクライナ東部での攻撃が激しさを増し、米長期金利が上昇したこともあり、3月の米消費者物価指数の発表を前にインフレ懸念の高まりによって大きく下落した。発表では先月から伸びが加速し、さらにはブレイナードFRB理事ら当局者がタカ派寄りの発言をしたこともあって一時BTC=490万円(39000ドル)付近まで価格を下げた。しかし、ルナ財団によるビットコイン買い増しも発表されるなかで底堅く推移し、米長期金利の上昇が一服すると、株式市場とともに反発した。

 

来週(4月15日~4月21日)の相場予想

BTCはもみ合いを予想、パウエルFRB議長発言やテスラ決算発表に注目

ブレイナードFRB理事が6月にバランスシートの縮小を開始する可能性を指摘し、ウォラーFRB理事が複数回の0.5ポイント利上げを支持するなど、当局者のタカ派寄りの発言が目立つなか、来週はパウエルFRB議長の発言が予定されている。これにより金融引き締めに対する過度な警戒感が和らげば、株式市場とともに買い戻されることは考えられる。

一方で、露プーチン大統領がウクライナへの侵攻を継続すると表明し、停戦交渉も行き詰まるなか、5月の米FOMCにかけてはインフレ懸念が度々意識されるだろう。そのため、暗号資産業界ではメタバース・NFTへの関心が続き、ルナ財団によるビットコイン買い増しも行なわれているが、上値の重い期間が続くと思われる。

また、今週から米国では第1四半期企業決算の発表が本格化しているが、来週20日にはテスラ【TSLA】の発表を控え、保有分のビットコイン売却の有無に注目が集まる。保有継続の場合には市場の安心感につながるが、売却が確認された場合には市場でさらに売りが加速する可能性がある。

直近上値としてはBTC=540万円(43000ドル)、下値としてはBTC=490万円(39000ドル)を意識する。