>> >>40代でサイドFIRE達成!企業分析のポイントと投資における思考法【前編】

ニュースの見出しに惑わされないための情報収集法

――投資の情報収集の方法を教えてください。

朝起きたらまず、米国の主要株価指数をチェックし、決算シーズンであれば決算の内容も確認します。マネックス証券で配信されている「決算フラッシュ」で売上高、純利益、EPSが一目で分かるのでそれで確認しています。あとは、モトリーフールの米国サイトに掲載されている米国企業の決算カンファレンスコールのスクリプトを読んでいます。

情報収集においては、煽るようなタイトルの記事や特定の媒体の論調に流されないよう、様々なメディアをチェックしています。その中でも特にブルームバーグ、ロイターはもちろん、ウォール・ストリート・ジャーナルやバロンズ・ダイジェストなどの情報を比較しながら読んでいます。

他にも米国のCNBCやブルームバーグのサイトでは企業の経営陣のインタビュー動画、FRB(米連邦準備制度理事会)のサイトではパウエル議長の会見動画などが掲載されています。日本語の記事化されたメディアの情報を読むだけでは、ハイライトされた部分に目がいってしまうので、できるだけ一次情報である動画などをじっくり観て発言の文脈を確認するようにしていますね。

FIRE後に気づいた貴重な「時間」の価値

――昨年11月にサイドFIREを実現されましたね。いわゆるFIREとは、どう違うのでしょうか。

サイドFIREは、サラリーマンとしては働かないものの好きな仕事だけ続けてその収入を支出に充てていくものです。サイドFIREは完全にリタイアして金融資産だけに頼るのではないので、無理なくやっていけると思いました。また、自分の好きな仕事は今後もマイペースに続けていきたいので。

――サイドFIRE後の生活はどう変わりましたか。

時間的なゆとりができたことが一番大きいですね。サラリーマンの頃は常に時間に追われていて、子育て中も頭の片隅に仕事のことがありました。それが今では、仕事と子育てにもメリハリができて、より集中して子どもに接することができます。これまで気づいていなかった子どもの癖にも目が届くようにもなり…。

子どもたちはあっという間に成長するので、今の時間は凄く貴重だと感じています。そういった時間的な余裕ができたお陰で、やりたい仕事にも打ち込めるようになりましたね。

――サラリーマンには戻りたくない心境ですか。

いえ、そんなことはありませんよ。ライフスタイルの変化に応じて、働き方も柔軟に変えていけたらと考えています。自分の経験を活かしながら自由な労働環境で働けるのであれば、気軽にまたサラリーマンに戻ってもいいかなと。

――海外移住を計画しているそうですね。候補の国はどこですか。

はい。子どもの教育のために海外移住を検討しているところです。

私は大学時代の4年間を米国で過ごしたのですが、妻は海外経験がないので身近なアジアの国が良いかなと思っています。その中で比較的住みやすそうなタイが第一候補です。コロナ禍の影響で、まだ一度もタイに行けてないのですが(笑)。

――海外の教育が良いと思う理由は何でしょうか。

教育環境において多様性が大事だと考えているからです。私自身、高校生までずっと日本にいて、クラスメートのほとんどが日本人で、先生が話しているのをただひたすら聞くスタイルの授業を受けてきました。なので、米国の大学で初めて授業を受けた時は、衝撃でした。授業中に生徒たちが活発に議論して、先生がファシリテート的な役割をするという、日本と全く違ったスタイルだったので。

クラスメートの人種も様々なので、共通の価値観がないのです。つまり“常識”がない。そうすると、自分の意見を持ってそれを他人に説明する必要が出てくるのです。

その後、多様な人材を抱えるGAFA企業で働くなかでも、当たり前とされている常識を問うことの重要性を再認識しました。均一な価値観の中では新しいものが生み出せないと思います。ですので、子どもたちには早期から多様性のある環境の中で学んでいってほしいなと考えています。

税金の手続きは面倒がらずにしっかり対応

――ロジャーパパさんのYouTubeチャネルでは節税についても発信されていますね。

はい。節税できることを調べて活用するようにしています。例えば、私の母親が65歳以上ですので、扶養に入れて扶養控除を受けています。他にも、家族全員分の1年間の医療費をまとめて10万円を超える分の医療費控除を申請したり、ふるさと納税の仕組みも活用しています。

FIRE後は法人を設立しましたので、事業に関わるものは経費に入れて支出額を減らすように努めています。手続きなど面倒に感じる部分もありますが、慣れれば簡単です。知っているのと知らないのでは後々大きな差が出る場合もあるので、自分ができる節税について調べてみると良いでしょう。

マーケット下落局面での心構え

――40代でFIREを達成し順風満帆な生活を送られているように見えますが、ずっと順調だったのでしょうか。

いえ、そんなことはありません。2018年のクリスマスショックの時に初めて暴落を経験して「こんなに一気に下がるのか…」と衝撃を受けました。でも、長期視点に立って考えてみると、米国は100年以上にわたって世界一の経済大国です。世界のトップ企業を見ても米国企業がほとんどです。世界の優秀な人材は米国企業に集まると思います。

このように米国の将来性を期待して長期目線で投資を続けていくことで、クリスマスショックも乗り越えられました。その経験もあって、2020年のコロナショックの時も動揺することなく淡々と買い増しして、利益を得られました。暴落を一度でも乗り越えると、その経験を糧に次回以降の思考法を整理できると思います。

――ロジャーパパさんのようにピンチをチャンスに変えるコツはありますか。

成功体験を少しずつでも積み重ねていくことが大事だと思っています。例えば株価が上がっている時に波に乗ろうと思って株式投資を始めたら下落してガッカリ…というケースも多いと思います。しかし、そんな下落の局面こそ長期視点でマーケット全体を俯瞰し、自分自身の考えや思考を整理することで、上昇時に恩恵が受けられる場合もあります。また、株価が回復した場合にはすぐ売却を判断するのではなく、自身の投資の目的等を考えた上でさらに上昇するまで忍耐強く待つなどマイルールを決め、利益を享受する経験を得ることが大事だと思います。

株式投資においては常にボラティリティがありリスクが伴います。ですので、株価が下落したときにも耐えられる余剰資金で投資をすることが大切です。頭で理解していることを行動に移して、少しずつ成功体験を積み重ねていくと良いのではないでしょうか。

――ありがとうございました。

※本インタビューは2022年2月9日に実施しました。
※本内容は、個人の経験に基づく見解であり、当社の意見を表明するものではありません。