【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 34,641.18  ▼280.70 (4/5)
NASDAQ: 14,204.17  ▼328.39 (4/5)

1.概況

米国市場は米連邦準備理事会(FRB)が積極的に金融を引き締めるとの観測が広がり、長期金利が一時3年ぶりの高水準を付けたことからハイテク株に売りが出て3日ぶりに反落となりました。45ドル安でスタートしたダウ平均はプラスに転じ朝方に190ドル高まで上昇しましたが、買いが続かずマイナスに転じると下げ幅を広げ取引終盤には一時355ドル安まで下落しました。その後引けにかけてやや下げ幅を縮めたダウ平均ですが結局280ドル安の34,641ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も328ポイント安の14,204ポイントとなっています。

2.経済指標等

3月の米ISM非製造業景況感指数は58.3と前月から上昇しましたが市場予想を下回っています。また、2月の米貿易収支の赤字額は前月比0.1%減の892億ドルとなりました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち7業種が下げ、一般消費財・サービスと情報技術が2%を超える下落となりました。一方で公益事業やヘルスケアなどの4業種が上げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄ではボーイング(BA)が4%を超える下落となったほか、セールスフォース・ドットコム(CRM)も4%近く下げました。インテル(INTC)とキャタピラー(CAT)、ウォルト・ディズニー(DIS)も2%以上下落し、アップル(AAPL)も2%近く下げています。ダウ平均構成銘柄以外ではハイテク株の下げが目立ち電気自動車のテスラ(TSLA)が4%を超える下落となり、アマゾン・ドット・コム(AMZN)と動画配信のネットフリックス(NFLX)も2%以上下げています。また、半導体株も安くクアルコム(QCOM)とエヌビディア(NVDA)が5%を超える下落となり、マイクロン・テクノロジー(MU)も4%近く下げています。アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)とテキサス・インスツルメンツ(TXN)も3%以上下落しました。一方で3月28日からの1週間の予約件数が過去最高になったと発表したことでクルーズ船のカーニバル(CCL)が2%以上上げています。

5.為替・金利等

長期金利はハト派で知られる米連邦準備理事会(FRB)のブレイナード理事が講演で保有資産の圧縮を積極的に進める考えを強調したことで0.15%高い2.54%となりました。一時2.56%まで上昇し3年ぶりの高水準を付ける場面もありました。こうしたなかドル円は円安に振れ123円台半ばで推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が一目均衡表の雲の上限(27,581円)を維持できるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)