◆シングルベッドで犬と寝ている。犬とはMonday Night Liveに時々登場するフレンチブルドッグのピース君である。彼は僕の布団に潜り込んで、ベッドの真ん中を占領しようと体を押し付けてくる。シングルベッドは狭く、非常に窮屈だ。朝起きると首や肩がガチガチに凝っている。持病の五十肩も悪化する一方だ。フレンチブルドッグの寝息はうるさくて安眠できない。悪い夢を見て夜中に何度も目が覚める。
◆シャ乱Qに「シングルベッド」という曲があった。シングルベッドで恋人と寝ていた売れない頃の情景を描いたものだ。いくら愛する人とでも大人2人が寝るにはシングルベッドではさぞ窮屈だろう。歌の主人公には、シングルベッドで抱いていたものが恋人の他に、もうひとつあった。シングルベッドで「夢」とお前抱いていた、と歌うのだ。夢なら問題ない。いや、むしろ夢を抱くにはシングルベッドに限る。
◆新年度である。この4月から新成人となった18歳の人も含め、進学や就職など新しい環境でスタートを切る若い人に心よりエールを送りたい。諸君に伝えたいことは夢を持つことの大切さである。世の中を眺めれば、悲惨な戦争、インフレによる生活苦、その一方でお給料は上がらない…どこにも夢なんか持てる状況ではないかもしれない。でも、だからこそ、夢を持とうではないか。夢は僕らを未来へ運ぶ力になる。
◆さて僕の夢は何だろう。差し当たっては、キングサイズのダブルベッドで寝ることか。大きなベッドが置けるくらいの広い部屋に住むことだ。世俗的な小さい夢でお恥ずかしい限りです。春である。「春眠暁を覚えず」は夢のまた夢。いまは安眠が何より欲しいのである。