今週(3月25日~3月31日)の相場動向

相場回顧 BTC:株式市場とともに堅調な推移が継続し、レンジを切り上げる

ビットコインは株式市場とともに堅調な推移が継続した。米バイデン大統領の露プーチン大統領に対する発言を巡り、NATO諸国内で懸念が広がったことからもみ合う場面も見られた。しかし、ゴールドマン・サックス【GS】やブラックロックなど大手金融機関による暗号資産関連動向や、ルナ(LUNA)財団(※1)によるビットコイン購入など好材料が相次ぐなかで買いが続いた。前回高値であるBTC=547万円(45000ドル)付近を上抜けると、ショートカバーも重なって大きく上昇し、ロシア・ウクライナ間の停戦交渉への期待から米国株が買われるなかBTC=583万円(48000ドル)付近まで価格を伸ばした。プルーフオブステークへの移行で注目を集めるイーサリアムが強い値動きとなったことも相場を押し上げた。その後は「停戦交渉に進展」との報道に反してロシアの軍事行動が続いたことや、アクシーインフィニティ(※2)関連の大規模なハッキング事件が起きたことで上値の重い展開となった。

※1 韓国発のブロックチェーンであるテラ(Terra)のエコシステムを支える非営利組織。独自のステーブルコインの準備資産としてビットコインを購入した。
※2 人気のNFT関連ゲーム。異なるブロックチェーン間の資産移動をサポートするブリッジサービスにおいて不正流出が発覚した。

 

来週(4月1日~4月7日)の相場予想

BTCはレンジを切り上げるも先行き不透明のまま上値の重い展開が続くか

金融市場ではウクライナ情勢やインフレ動向に関して先行き不透明な状況が続いている。ビットコインはこれらの懸念が和らぐなかで株式とともに上向いている。BTC=547万円(45000ドル)を上抜けたことによりレンジを切り上げており、このまま買いが続いた場合にはBTC=607万円(50000ドル)、さらには昨年12月の高値であるBTC=632万円(52000ドル)付近が意識される。

しかし、米国では、株式がウクライナ情勢前の水準に回復したことで金融引き締めの議論が再燃している。来週はFOMC議事要旨の発表も控え、内容がタカ派寄りであった場合には株式とともに売りが強まることは考えられるだろう。また、米国債市場で逆イールドが発生し、景気後退も意識されている。一時的なシグナルに過ぎないとの見方もあるが、心理的な不安から上値を重くする可能性も考えられる。

一方、暗号資産市場ではビットコインが値上がりするなかでイーサリアムを筆頭にアルトコイン物色も活発にされており、このままリスクオンムードが続き、市場全体として価格を伸ばしていくことは考えられるだろう。しかし、今週に大規模なハッキングが起きたことで懸念も広がっており、アルトコイン物色の中での急落には警戒が必要である。