今週(3月18日~3月24日)の相場動向
相場回顧 BTC:株式市場が回復に転じるなかBTC=43000ドルまで上昇
ビットコインは、先週より株式市場が回復基調となるなか、同様に堅調に推移した。ウクライナ東部のマリウポリで戦闘が激化し、ウクライナ情勢への懸念が強まったことから再び売りが強まった。しかし、米ゴールドマンサックス【GS】がビットコインのOTC取引を実施したことや、世界最大手のヘッジファンドであるブリッジウォーターが暗号資産ファンドへの投資を計画していることなどが報じられ、期待感から強い値動きが継続した。プルーフオブステークへの移行に向けた最新のテストネットを公開したイーサリアムをはじめアルトコイン市場も活況となるなか、22日にはBTC=522万円(43000ドル)付近まで大きく上昇した。その後は米パウエルFRB議長が2度の講演で大幅利上げの可能性を示唆したこともあり、金融引き締め加速への警戒感から上値が重くなった。ロシア社債の利払い不履行が疑われたことも売りを強めた。週末にかけては米国による対ロシア追加制裁や、ウクライナ大統領も参加したNATO首脳会談の内容を見極める動きもあったが、米国株が上昇するなかでBTC=535万円(44000ドル)付近まで価格を伸ばした。
来週(3月25日~3月31日)の相場予想
BTCは株式市場とともに買いが続く可能性、インフレ動向がより焦点となるか
ロシアとウクライナの停戦協議もなかなか合意には至らず、戦争が長期化する可能性が高まっている。そのなかウクライナ情勢についてはある程度市場で織り込み済となっており、戦争の激化による売りには警戒が必要だが、株式市場とともに買いが続く可能性は考えられる。サプライズという意味では終戦による上昇期待の方が大きいだろう。
一方で、ウクライナ情勢の悪化を受けて米国はインフレの抑制に強く踏み切れない状況が続いていたが、株式市場が価格を戻してくると金融引き締めが加速する懸念が高まってくる。ロシア資源を巡っては価格の高騰が起きており、これを受けてパウエルFRB議長は前回よりもタカ派寄りの姿勢を示している。中長期的には当局が相場への影響を最小限に留めるだろうが、短期的に早期利上げ観測などによって売りが強まることもあるだろう。
業界ではゴールドマンサックスやブリッジウォーターといった大手金融機関による暗号資産への関心も確認されている。また、イーサリアムなどのアルトコインを物色する動きも強まっており、少しずつリスクオンの状況に戻りつつある。
直近上値としてはBTC=547万円(45000ドル)、下値としてはBTC=486万円(40000ドル)を意識する。