第一四半期を振り返ると、日本株については年度末であった先週金曜日に「お化粧買い」ということはなかったものの、今年に入ってからの勢いはご承知の通りで昨年末からは18%近い上昇(日経平均 :終値ベース)です。
為替は2月以降円高からの急転換と見える動きが目立っています。
いずれにしても今後も勢いを増しての上昇相場かというと、これまでの動きが急ピッチ、かつ上昇幅が大きいこと、市場においての懸念材料が解消されたわけではないこと等、調整の反落についても備えておきたいところです。
為替取引においてはロングからもショートからも入りやすいので、相場がどちらサイドに振れても利益を得られ(もちろん損失にもつながります)、注文方法の組み合わせることで「備え」も楽にできますよね。
ところが、現物の株式取引では、基本形は買って上昇したら利益確定というスタイルですので相場の下落時には弱いものでした。(損切りも早めの利益確定も注文によって可能)
その日本株取引において、信用取引を使わなくとも、初心者であっても、楽に下落相場で利益を狙うことができるようになります。
といっても個別銘柄ではなく、ETFを利用するもので、TOPIX(東証)、日経平均(大証)連動型のベア型がブル型とともにこの4月中に上場します。
いずれのETFもレバレッジはベア型が-1倍、ブル(上昇)型が2倍です。
海外の市場では以前からこうしたタイプのETFがたくさんありましたので、日本での登場が待たれていたのですが、ついにという感じですね。
個別銘柄派の中にはETFに興味のない方もいるかもしれませんが、上場投信なのでリアルタイムに市場取引でき、ベア型は保有株式のヘッジとして利用することも可能で、つまり「備え」になります。
投信ではブル・ベアファンドは以前からありましたが、ETFの登場によって、より自身の相場観・采配で取引でき、保有コストも低く抑えられます。
いずれのETFも指数先物取引を投資対象とした下記のような計算式を用いて算出・公表された値での取引です。
(例:TOPIX連動タイプ)
TOPIXインバース(-1倍)指数:
当日の指数値=前日の指数値×(1-1倍×TOPIX(配当なし)の前日比変動率)
TOPIX レバレッジ(2倍)指数:
当日の指数値=前日の指数値×(1+2倍×TOPIX(配当なし)の前日比変動率)
株価が上昇下落を相互に繰り返す場合、複利効果によって指数は逓減し利益を得るのが難しくなる性質ももちます。株価に方向感がなく「もむ」動きを予想される場合は、投資に向きませんのでご注意を。
廣澤 知子
ファイナンシャル・プランナー