3月上旬に発生した4つの窓を埋める
先週は5日移動平均線上を回復すると同時に、5日移動平均線が上向きに変化したところで終えていました。しかし、そのまま5日移動平均線上を維持して反発が継続する格好となり、ついに下向きの25日移動平均線上を回復して終える結果となりました。
また前回のコラムで解説したように、反発が続いたことから3月4日と7日、3日と4日の間にあけた窓に加え、2月28日と3月1日、1日と2日にあけた2つの窓も埋める結果となり、3月に入って下落時に発生した窓をすべて埋めると同時に、株価水準でも3月1日の終値を上回って推移しているのが分かります。
新たな窓が3つ発生、これらの窓の種類は?
そのような中、この反発局面で新たな窓が発生しているのが分かります。その窓ですが、3月15日と16日、16日と17日に加え、18日と22日にあけた3つの窓になります。1週間の間に3つも窓があいたわけですから、株価水準が切り上がっていることも理解できますが、これらの窓はそれぞれどの種類の窓になるのでしょうか。
これらの窓の種類が何なのかによって今後の値動きが左右されると考えられますので、窓の種類を考えることは非常に重要と思われます。
私は、これら3つの窓すべてがコモンギャップ(=普通の窓)ではないかと考えています。その理由は、過去の値幅の範囲内で発生しているからです。
そのため、今回発生した窓はいつか埋めることが考えられますので、このまま反発が止まるようですと、反落への警戒が必要になるかもしれません。
グランビルの買いの法則が発生しているのか?
ところで3月17日に25日移動平均線を上回った後、そのまま株価水準を切り上げていると同時に、75日移動平均線に接近しているのが分かります。このような状況から、底入れする可能性が高まっていると考えることができます。
ただ底入れのためには、クリアしなければならないいくつかの条件があり、それは前回のコラムでも解説しましたが、25日移動平均線を上回るだけでは条件を満たしたことになりません。
また、ローソク足が25日移動平均線を上回るだけでなく、5日移動平均線が25日移動平均線を上回る必要があります。
さらに5日移動平均線が25日移動平均線を上回った場合でも、25日移動平均線が上向きに変化する必要があります。
厳密にはこのような条件をクリアして、グランビルの買いの法則の1つが発生することになるわけですが、3月22日の25日移動平均線の向きを見ますと、角度は緩やかですが下向きのままとなっているのが分かります。
そのため、25日移動平均線が上向きに変化するまで株価の上昇が続くか、株価水準を維持する必要があり、25日移動平均線が下向きの間にゴールデンクロスが発生しても、直ぐに底入れしたとは言えない状況であると言えるのです。
ゴールデンクロスについては、「短期の移動平均線が中期や長期の移動平均線を上回ること」と、解説されることが多いのですが、厳密には、横ばいまたは上向きの中長期の移動平均線を短期の移動平均線が上回って初めてゴールデンクロスが発生したことになりますので、判断を誤らないようにしたいところです。
さて、今週は25日移動平均線が上向きに変化するまで株価を維持できるのでしょうか。それとも新たに発生した3つの窓を埋める値動きとなり、25日移動平均線の下向きが続くのでしょうか。チェックしながら今後の値動きを予想してみてください。