今週(3月11日~3月17日)の相場動向
相場回顧 BTC:米FOMCにかけて買いが強まるも上値は重い
ビットコインはウクライナ情勢への警戒が続くなか、米FOMCの内容を見極めようとする動きもあり、週初より薄商いで方向感に乏しい展開となった。ロシアが中国に軍事支援を要請したとの報道を巡り、市場では米中対立への懸念が強まったが、相場への影響は限定的となった。14日からはロシア・ウクライナ間で第4回目の停戦交渉が始まったが協議は難航した。米FOMCにかけては原油価格が下落したことを受けてインフレ懸念が和らぎ、米国株とともに買いが強まった。そして、米FOMCでは2018年以来となる0.25ポイントの利上げを決定し、年内の追加利上げの必要性も示唆されたが、パウエルFRB議長が景気見通しに強気の発言をしたこともあり、通過後には安心感から買いが継続した。ウクライナ政府が停戦交渉に一定の進展が見られたと発表したことや、中国政府が金融市場の安定維持に向けた政策を講じると表明したことも相場を後押しした。しかし、週末にかけてはBTC=486万円(41000ドル)付近で上値の重い状況となった。
来週(3月18日~3月24日)の相場予想
BTCは買いが戻る可能性はあるも、ウクライナ情勢の先行きはなお不透明
ロシア・ウクライナ間の停戦交渉は難航しているものの、「ウクライナが北大西洋条約機構(NATO)加盟を断念し、中立国になることを条件にロシアが撤退する」との内容で合意が近いとの報道もある。先行きはなお不透明だが、協議に進展が見られれば株式と同様に買いも戻ってくるだろう。
また、米国ではFOMCを通過し、過度なインフレ懸念が和らいだことでリスク資産を買い戻しやすい状況となっている。今回の発表を受けて年内残り6回の追加利上げと、今年5月にバランスシートを縮小する可能性が織り込まれ、直近、金融引き締めによるマーケットへの影響は落ち着くと思われる。
ウクライナ情勢を巡っては暗号資産がロシアの送金ルートになるのではといった思惑や、ウクライナ側の新たな調達源としても注目されている。半面、改めてeKYCやトラベルルールの在り方が問われるなどの課題も浮上している。いずれにしても国際的に暗号資産への注目が再び強まっている。
イーサリアムがプルーフオブステーク(PoS)への移行に向けて前進し、大手企業によるNFT市場への参入などの動きもあるなかで、アルトコインに資金が傾くことも考えられるだろう。その場合にはビットコインの上値が短期的に抑えられる可能性がある。
直近上値としてBTC=498万円(42000ドル)、下値としてBTC=438万円(37000ドル)を意識する。