今週も引き続きウクライナ情勢に振り回される展開となることは言うまでもない。その中で今週は15~16日の米連邦公開市場委員会(FOMC)という重要イベントがある。

米国が3年ぶりの利上げに踏み切る「歴史的なイベント」ではあるが、先日のパウエルFRB議長の議会証言で、今回は25bpsの利上げはほぼ確実視されており、利上げそのものへの市場の反応は限られる。注目点はFRBメンバーによる政策金利見通し(ドットチャート)とバランスシートの縮小(QT)の開始時期などになろう。ただ、市場は一時、相当タカ派的なシナリオまで織り込んだので、昨今のウクライナ情勢を受けて若干でも緩和的な見通しが示されればポジティブに反応するだろう。一方で、インフレに対する警戒は強まっているので、差し引きニュートラルとなって前回とあまり変化のない見通しとなるかもしれない。

今週は15日に中国で鉱工業生産、小売売上高などの経済指標が発表されるほか、米国ではニューヨーク連銀景気指数と生産者物価指数の発表がある。国内では16日に2月の貿易統計の発表、17日から日銀金融政策決定会合(~18日)が開催される。

先週末のNY外国為替市場でドル円は一時117円35銭と2017年1月以来、5年2カ月ぶりの円安・ドル高水準を付けた。米国のインフレ加速とFOMCでの利上げが目前に迫っていることを背景に円売り・ドル買いの勢いが強まった結果だが、日本の経常赤字も円安圧力の一因となっている。

したがって16日の貿易統計が相場の材料になるかもしれない。資源や食料のほとんどを輸入に依存する日本の貿易赤字が拡大すれば実需の円売り要因でさらに円安が加速し、「悪い円安」が意識され相場の重荷になる懸念がある。従来、円安は輸出企業の業績改善要因として株式市場の好材料だったが、昨今はまったく買い材料とならない。金融政策決定会合後の黒田総裁の会見で、円安についての発言があるか注目したい。

イラクの北部で現地時間13日、複数の爆発があり、米メディアはイランからの弾道ミサイル攻撃だと報じている。米国とイランはイラン核合意の再建に向けた協議を重ねてきたが、今回のミサイル攻撃で両国の対立が深まれば合意は遠のく。無論、原油価格の高騰を招き相場の波乱要因となるだけに警戒が必要だ。

ロシア軍による首都キエフの包囲が進んでおり、総攻撃が近いとの見方もある。予見不能だが、いつ大きく事態が動いてもおかしくない状況にあり、いざという時にとるべき投資方針&投資行動を確認しておこう。突っ込んだところを買うと決めているひとは資金の用意を。とりあえず様子見と決め込んでいるひとは動じない覚悟を。