【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 33,223.83 △92.07 (2/24)
NASDAQ: 13,473.59 △436.10 (2/24)
1.概況
米国市場はハイテク株に押し目買いが入り反発となりました。ロシアのウクライナ侵攻を受けて301ドル安でスタートしたダウ平均は直後に859ドル安まで下落しましたが、ハイテク株に押し目買いが入り取引終盤に下げ幅を縮め引けにかけてプラスに転じると結局92ドル高の33,223ドルで取引を終え6日ぶりに反発となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も436ポイント高の13,473ポイントと3%を超える上昇となりこちらも6日ぶりに反発しています。
2.経済指標等
2021年10-12月期の米実質GDP改定値は年率換算で前期比7.0%増と速報値の6.9%増から小幅に上方修正され市場予想と一致しました。また、先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比1万7000件減の23万2000件となり市場予想を上回る改善となりました。一方で1月の米新築住宅販売件数は年率換算で前月比4.5%減の80万1000戸に止まり市場予想を下回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち7業種が上げ、情報技術とコミュニケーション・サービスが3%を超える上昇となったほか、一般消費財・サービスも2%以上上げています。一方で4業種が下げ、生活必需品と金融が1%を上回る下落となりました。
4.個別銘柄動向
ハイテク株に押し目買いが入るなかダウ平均構成銘柄ではセールスフォース・ドットコム(CRM)が7%以上上げ上昇率トップとなったほか、マイクロソフト(MSFT)も5%余り上昇し、インテル(INTC)も4%を超える上昇となりました。ダウ平均構成銘柄以外でもハイテク株が高く、動画配信のネットフリックス(NFLX)が6%余り上げ、アマゾン・ドット・コム(AMZN)とフェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ(FB)、電気自動車のテスラ(TSLA)も4%を超える上昇となりました。グーグルの持ち株会社であるアルファベット(GOOGL)も4%近く上げています。また、半導体関連株も上昇が目立ち半導体製造装置のアプライドマテリアルズ(AMAT)とKLA(KLAC)が4%以上上昇しました。半導体株ではアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)とエヌビディア(NVDA)が6%以上上げ、クアルコム(QCOM)も4%近く上げています。
一方で欧州市場でロシア向けの与信残高が多いとされる銀行株が軒並み売られた流れを受けて金融株が安く、シティーグループ(C)が4%安となり、バンク・オブ・アメリカ(BAC)とJPモルガン・チェース(JPM)、ウェルズ・ファーゴ(WFC)も2%を超える下落となっています。
5.為替・金利等
長期金利は0.03%低い1.96%となりました。ドル円は115円台半ばで推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国市場が反発となるなか昨日までに大きく下げていた反動もあり上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の26,000円を超えてどこまで上値を伸ばせるかがポイントとなりそうで、ウクライナ情勢の動向に神経質な展開が続きそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)