今週(2月11日~2月17日)の相場動向

相場回顧 BTC:米金融引き締めとウクライナ情勢により一喜一憂

ビットコインは回復基調となっていたが、米消費者物価指数(1月)が予想を上回り約40年ぶりの水準となったことで金融引き締め観測が高まり、株式市場とともに下落した。サリバン米大統領補佐官の発言によってロシア・ウクライナ情勢の地政学的リスクが強く意識されたこともあり、売りが強まった。しかし、DBS銀行が今年度に個人投資家向け暗号資産取引サービスをリリースする計画を発表するなど、一部好材料も見られるなかでBTC=483万円(42000ドル)付近では底堅く推移した。15日にはロシア軍の一部撤退発表を受けて緊張が緩和され、BTC=506万円(44000ドル)付近まで大きく反発した。その後、米バイデン大統領が「ロシア軍撤退は確認できない」と発言したことなどから情勢悪化への警戒感が戻り、上値の重い展開となった。注目された米FOMC議事要旨は、金融引き締めの加速を示唆する新しい材料はなく、無難に通過した。しかし、17日にはロシアがウクライナに侵攻する懸念から、株式市場とともに再び下落した。

 

来週(2月18日~2月24日)の相場予想

BTCは金融市場の懸念材料次第、リスクオフ相場は変わらず

金融市場全体が米国における金融引き締め観測とロシア・ウクライナ情勢を巡って一喜一憂している。

前者については年内5回の利上げを既に織り込んでおり、経済指標の改善や当局者の発言などを受けて再燃する可能性はあるが、直近、マーケットへの影響は落ち着きつつある。

後者については、米国とロシアとの間で発言が異なっており、実情が見えづらいために依然として懸念が大きい。ロシアによるウクライナ侵攻が現実に近づくほど市場では売りが強まるだろう。

ビットコインは2月に入ってから価格を戻しているものの、これらの懸念によって上値が重い状況となっている。米一大スポーツイベントのスーパーボウルで暗号資産関連広告が掲載されるなど、暗号資産やNFTへの関心も継続するなか懸念の緩和とともに買いが強まる可能性はある。しかし、ビットコインのドミナンスが上昇傾向にあることからもリスクオフの状況は変わっておらず、気の抜けない相場が続くだろう。

直近上値としてBTC=517万円(45000ドル)、下値としてBTC=460万円(40000ドル)を意識する。