今週(1月28日~2月3日)の相場動向
相場回顧 BTC:株式市場とともに買い戻し優勢となったが、上値も重い展開
ビットコインは米金融政策の引き締めペースへの警戒から方向感に乏しい値動きとなった。しかし、当局者らの発言によってそれが和らぐと、株式市場とともに買い戻し優勢の展開となった。米国企業の決算発表が進むなか、テスラ【TSLA】が2021Q4でビットコインを売却していなかったことも買い安心感につながった。米国で暗号資産のウォレット規制を再度検討するとの発表を受けて規制リスクも意識されたが、株式市場が続伸するなかで買いが継続した。マイクロストラテジー【MSTR】による買い増しもあり、2日には一時BTC=446万円(39000ドル)付近まで回復した。しかし、その後は再び急落し、ワームホールというブリッジプロトコル(※)で大規模な不正流出事件が起きたことも影響し、BTC=424万円(37000ドル)を割り込んだ。
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来週(2月4日~2月10日)の相場予想
金融市場の懸念解消とともに買いが戻る可能性、しかし上値も重いか
米FRB高官や米連銀総裁など当局者が利上げについて慎重な発言をしたことを受けて、市場では米金融政策の引き締めペースをめぐる懸念が和らいでいる。再び早期利上げの議論が沸き立つことは考えられるが、株式市場の買い戻しが続けば、ビットコインも同様に回復する可能性はあるだろう。
一方で、ロシアとウクライナの間の緊張が高まっている。情勢の悪化によって原油価格がさらに上昇し、インフレが強く意識されれば株式市場とともに売りが強まることは考えられる。ただし、ビットコインは地政学リスクに対して逃避資産として買われることもあるため、その影響は比較的抑えられるだろう。
また、今週から中国では北京冬季オリンピックが開催され、ここではデジタル人民元の試験運用が行われる。世界に向けて中銀デジタル通貨(CBDC)の先行事例を示すことができるのか、また、これを受けて国際通貨競争に関してどのような議論が生まれるかにも注目である。
その他、暗号資産市場では今週に起きた大規模な不正流出事件を受けてややネガティブな雰囲気もあり、回復に向けては上値も重いか。直近上値としてはBTC=458万円(40000ドル)、下値としてはBTC=378万円(33000ドル)付近を意識する。