【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ:  34,725.47   △564.69  ( 1/28 )
NASDAQ:  13,770.57   △417.79  ( 1/28 )

1.概況

先週末の米国市場は好決算を発表した銘柄やハイテク株に買いが入り大幅反発となりました。25ドル安でスタートしたダウ平均は市場予想を下回る決算を発表した銘柄が売られ朝方に353ドル安まで下落しましたが、持ち直すとプラスに転じ引けにかけて急速に上げ幅を広げました。

結局ダウ平均は564ドル高の34,725ドルと高値圏で取引を終え4日ぶりに反発となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も417ポイント高の13,770ポイントと反発し3%を超える上昇となりました。

2.経済指標等

2021年12月の個人消費支出(PCE)は前月比0.6%減となり市場予想と一致しました。米個人所得は前月比0.3%増に止まり市場予想を下回っています。また、10-12月期の米雇用コスト指数も前期比1.0%上昇に止まり市場予想を下回りました。1月の米ミシガン大学消費者態度指数確報値も67.2と速報値から下方修正され市場予想を下回っています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうちエネルギーを除く10業種が上げました。そのなかでも情報技術が4%を超える上昇となり、不動産も3%以上上げました。また、コミュニケーション・サービスも3%近く上昇し、一般消費財・サービスとヘルスケアも2%以上上げました。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄中25銘柄が上げました。そのなかでも決算が大幅な増収増益となったビザ(V)が10%以上上げ上昇率トップとなったほか、決算で売上高と純利益が四半期として過去最高となったアップル(AAPL)も7%近く上昇しています。ビザとアップルの2銘柄でダウ平均を210ドル余り押し上げています。また、セールスフォース・ドットコム(CRM)も4%を超える上昇となり、ベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)とアメリカン・エキスプレス(AXP)も3%以上上げました。マクドナルド(MCD)とホーム・デポ(HD)、マイクロソフト(MSFT)も3%近く上げています。

一方で決算を発表したキャタピラー(CAT)が利益率が低下したことが嫌気され5%余り下げ、スリーエム(MMM)も4%以上下落しました。大幅な増益ながら1株利益が市場予想に届かなかったシェブロン(CVX)も3%を上回る下落となっています。

ダウ平均構成銘柄以外でもアップルの大幅高を受けてハイテク株が高く、グーグルの持ち株会社であるアルファベット(GOOGL)とアマゾン・ドット・コム(AMZN)が3%を超える上昇となり、フェイスブックを運営するメタプラットフォームズ(FB)と電気自動車のテスラ(TSLA)も2%以上上げました。半導体株も堅調でエヌビディア(NVDA)が4%余り上げ、クアルコム(QCOM)も3%以上上昇しています。半導体メモリーのウエスタンデジタル(WDC)は1-3月期の見通しが市場予想を下回ったことで7%を超える下落となっています。

5.為替・金利等

先週末の長期金利は0.03%低い1.77%となりました。ドル円は115円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

日本市場は米国市場に先行するかたちで先週末に大幅高となっていることから小動きでのスタートが予想されます。こうしたなか本日も米株価指数先物などの動向をにらみながらの展開となりそうです。

( マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)