【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ:  34,168.09   ▼129.64  ( 1/26 )
NASDAQ:  13,542.12   △2.82  ( 1/26 )

1.概況

米国市場は高安まちまちとなりました。ダウ平均とS&P500株価指数は米連邦公開市場委員会(FOMC)後のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の会見を受けて続落となりましたが、ハイテク株の一角が堅調でナスダック総合株価指数は小幅に反発しました。好決算を発表したマイクロソフト(MSFT)が大幅高となったこともあり223ドル高でスタートしたダウ平均は朝方に517ドル高まで上昇するなど堅調に推移しましたが、午後にFOMCの結果が発表されパウエルFRB議長が会見で金融引き締めに前向きな姿勢をみせると急速に伸び悩みマイナスに転じ下げ幅を広げました。

取引終盤に421ドル安まで下落したダウ平均は引けにかけて持ち直したものの結局129ドル安の34,168ドルで取引を終えています。また、S&P500株価指数も6ポイント安の4,349ポイントとなっています。一方でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は2ポイント高の13,542ポイントとなりました。

2.経済指標等

米連邦準備理事会(FRB)は米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利の据え置きを決めました。しかし、量的緩和を3月上旬に終了するとし、次回3月の会合で利上げに踏み切る可能性を示唆しました。また、FRBの「バランスシートの規模縮小に関する方針」というリリースを公表し、利上げ開始後に資産圧縮を実施する方針を示しました。また、2021年12月の米新築住宅販売件数は年率換算で前月比11.9%増の81万1000戸となり市場予想を上回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち9業種が下げ、不動産と素材が1%を超える下落となりました。一方で情報技術と金融の2業種が上げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄では決算で1株損益の赤字幅が市場予想より大きかったボーイング(BA)が5%近く下げ下落率トップとなり、ベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)も3%を超える下落となりました。スリーエム(MMM)とウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)、ウォルト・ディズニー(DIS)、セールスフォース・ドットコム(CRM)も2%以上下げています。

一方で市場予想を上回る決算を発表したマイクロソフトが3%近く上げ上昇率トップとなったほか、ビザ(V)も2%近く上昇しました。インテル(INTC)とアメリカン・エキスプレス(AXP)も1%以上上げています。インテルは取引終了後に発表した決算で1株利益の見通しが市場予想を下回ったことから時間外で大きく下げています。

ダウ平均構成銘柄以外では、決算が市場予想を上回った特殊ガラスのコーニング(GLW)が急伸し11%余り上げています。

5.為替・金利等

長期金利は0.09%高い1.86%となりました。ドル円は114円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国市場でダウ平均が続落となったことから下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は節目の27,000円を割り込みそうですが、昨日同様に27,000円を下回ったところでは押し目買いが入り下げ渋るかがポイントとなりそうです。

( マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)