みんなが貪欲な時に恐れを抱き、みんなが恐れを抱いている時に貪欲であれ
                                                               by ウォーレン・バフェット
 

投資家にとってしんどいマーケットが続く 

投資家にとって非常にフラストレーションがたまるマーケットが続いています。先週米国10年債利回りは急上昇し、1.9%台に乗せました。

先週1週間でS&P500は5.7%下落、ナスダック総合は7.6%下落、史上最高値から見ると、S&P500は1月4日の史上最高値から8.3%、ナスダック総合は11月22日の史上最高値から13.2%下落したことになります。

恐怖指数と呼ばれるVIX指数も28.85ドルとほぼ1ヶ月ぶりの高値をつけました。S&P500は1月21日(金)に200日平均線を下回りましたが、これも2020年6月来のことです。小型株指数のラッセル2000は、史上最高値から既に18.6%も下落しています。AAII(米個人投資家協会)の投資家ブルベアレシオでは、強気の投資家は2020年7月来の低いレベルです。

先週のこのような下げの状況を見てみると、「ファンダメンタルズの悪化」による下げというより、投資家の「恐れ」や「パニック」によるもので、センチメントの悪化主導による下げのような気がしてなりません。

マーケットの運命を左右するのは今週から始まるGAFAM+Tの決算発表

私は2022年の年末S&P500は高く終わるが、利上げの年のマーケットは利上げ前後に乱高下するだろうと様々な機会で述べてきました。そう言った意味で、今のボラティリティの高さは想定内のことのですが、問題はマーケットがボトムアウトするかということです。

先に述べた通り、マーケットのセンチメントは最悪であり、利上げを織り込み始め、マーケットはテクニカル的に売られ過ぎとなっており、マーケットがリバウンドする条件は整っていると言えます。ただ、そう簡単にいかないと思える理由は、1月25日〜26日にFOMC(米連邦公開市場委員会)が予定されていることもありますが、今週からGAFAM+Tの決算発表が始まることです。

1月25日(火)はマイクロソフト(MSFT)、1月26日(水)はテスラ(TSLA)、1月27日(木)はアップル(AAPL)の決算発表が予定されています。マーケットはリバウンドしやすい環境にあるものの、今週以降の米国株式市場の運命、いや、日本株を含む世界の株式市場の運命を握っているのは、この3社の決算発表と言えるでしょう。

問題は決算が市場の予想を上回れば良いというものでもありません。決算発表の中身も大事ですが、マーケットが注目するのは経営陣による今後のビジネスの見通しについてのガイダンスでしょう。現時点でその答えを知っているのは、この3社の一握りの経営陣だけです。彼らもその責任の重さに今からドキドキしているのではないかと想像しています。

果たしてどのような結果になるのか、これはマーケット参加者の誰にもわかりません。ただ、私のこれまでの経験では、どうしようもない絶望的な最悪の瞬間になると、そんな時には必ずと言ってよい救い主が現れ、マーケットを救ってくれました。今回も最終的にそうなるのではないかというのが、私の勘です。あくまでも私の楽観的な勘ですが…。
 
ウォーレン・バフェット氏の、「みんなが貪欲な時に恐れを抱き、みんなが恐れを抱いている時に貪欲であれ」という言葉が今回も有効か。今週、その答えが分かるでしょう。