【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 35,028.65  ▼339.82 (1/19)
NASDAQ: 14,340.26  ▼166.64 (1/19)

1.概況

米国市場は景気敏感株や消費関連株に加え、ハイテク株の一角にも売りが出て続落となりました。43ドル高でスタートしたダウ平均は市場予想を上回る決算を発表した銘柄に買いが入り朝方に179ドル高まで上昇しましたが、買い一巡後に上げ幅を縮めるとその後は前日終値を挟んで揉み合う展開となりました。しかし、取引終盤に売りが優勢になると下げ幅を広げ結局339ドル安の35,028ドルで取引を終え4日続落となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も166ポイント安の14,340ポイントと続落となりました。ナスダック総合株価指数は昨年11月19日に付けた史上最高値からの下落率が10.7%となり調整局面入りとされる下落率10%を超えています。

2.経済指標等

2021年12月の米住宅着工件数は年率換算で前月比1.4%増の170万2000戸となり市場予想を上回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち9業種が下げ、一般消費財・サービスが2%近く下落したほか、金融と情報技術、不動産、資本財・サービスも1%以上下げました。一方で生活必需品と公益事業の2業種が上げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄ではボーイング(BA)とキャタピラー(CAT)が3%を超える下落となったほか、アメリカン・エキスプレス(AXP)も3%近く下げました。トラベラーズ(TRV)とアップル(AAPL)、インテル(INTC)も2%以上下げ、ゴールドマン・サックス(GS)とホーム・デポ(HD)も2%近く下落しています。一方でプロクター・アンド・ギャンブル(PG)が決算で売上高や1株利益が市場予想を上回ったことで3%以上上げ上昇率トップとなっています。

ダウ平均構成銘柄以外では、半導体関連株の下げが目立ち半導体製造装置のアプライドマテリアルズ(AMAT)が6%余り下げ、KLA(KLAC)も5%近く下落しました。半導体株ではマイクロン・テクノロジー(MU)とクアルコム(QCOM)、エヌビディア(NVDA)、ウエスタンデジタル(WDC)が3%以上下げ、アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)も3%近く下落しています。モルガン・スタンレー(MS)は決算で1株利益が市場予想を上回ったことで2%近く上げています。

5.為替・金利等

長期金利は0.01%低い1.86%となりました。一時は1.90%と2020年1月以来の高水準を付ける場面もありました。ドル円は114円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は昨日に大きく下げた反動で上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか本日も時間外の米株価指数先物の動向などに神経質な展開となりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)