【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 36,236.47 ▼170.64 (1/6)
NASDAQ: 15,080.87 ▼19.31 (1/6)
1.概況
米国市場は米連邦準備理事会(FRB)が金融政策の正常化を急ぐことを警戒した売りが続き続落となりました。1ドル高とほぼ横ばいでスタートしたダウ平均は朝方に200ドル安余りまで下落した後持ち直すと昼過ぎにプラスとなりましたが、40ドル高程度で伸び悩むと直ぐにマイナスに転じ下げ幅を広げました。引け間際に206ドル安まで下落したダウ平均は結局170ドル安の36,236ドルで取引を終え続落となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も19ポイント安の15,080ポイントとなり3日続落となりました。
2.経済指標等
先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比7000件増の20万7000件となり改善を見込んでいた市場予想に反して悪化しました。2021年12月の米ISM非製造業景況感指数も62.0と前月から低下し市場予想を下回りました。一方で2021年11月の米製造業受注は前月比1.6%増となり市場予想を上回りました。また、2021年11月の米貿易収支の赤字額は前月比19.4%増の801億7200万ドルとなっています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち6業種が下げ、素材とヘルスケア、公益事業が1%を超える下落となりました。一方で5業種が上げ、エネルギーが2%を上回る上昇となったほか、金融も1%以上上げています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄ではユナイテッドヘルス・グループ(UNH)が4%余り下げ下落率トップとなりました。また、ウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)も3%近く下げユナイテッドヘルス・グループに次ぐ下落率となりました。決算は市場予想を上回りましたが、人手不足を背景に人件費を増やす方針を示したことが嫌気されました。さらにIBM(IBM)も2%余り下げ、アップル(AAPL)も1%を超える下落となっています。一方でトラベラーズ(TRV)とウォルト・ディズニー(DIS)、JPモルガン・チェース(JPM)、シスコシステムズ(CSCO)、キャタピラー(CAT)が1%以上上げています。
ダウ平均構成銘柄以外では、フェイスブックを運営するメタプラットフォームズ(FB)が目標株価の引き上げを受けて2%以上上げています。フォード・モーター(F)も同じく目標株価の引き上げを好感して3%を上回る上昇となりました。動画配信のネットフリックス(NFLX)は目標株価の引き下げを受けて2%を超える下落となっています。
5.為替・金利等
長期金利は0.02%高い1.72%となりました。ドル円は115円台後半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は昨日に大きく下げた反動で上昇してのスタートが予想されます。今晩に米雇用統計の発表を控え様子見となりやすいなかで日経平均が一目均衡表の雲の下限(28,738円)や200日移動平均線(昨日時点で28,821円)を試すような動きをみせるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)