【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 35,753.89  △261.19 (12/22)
NASDAQ: 15,521.89  △180.81 (12/22)

1.概況

米国市場は良好な消費者信頼感指数が好感されたことや、ファイザー(PFE)が開発した新型コロナウイルスの飲み薬の緊急使用を米食品医薬品局(FDA)が承認したと発表したこともあって続伸となりました。ほぼ横ばいでスタートしたダウ平均は朝方に59ドル安まで下落する場面もありましたが、下げ渋るとまもなくして買いが優勢となり上げ幅を広げ昼過ぎには240ドル高程度まで上昇しました。その後一旦伸び悩みましたが大きく押すことなく堅調に推移すると引けにかけて再び上げ幅を広げ引け間際に271ドル高まで上昇し結局261ドル高の35,753ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も180ポイント高の15,521ポイントとなっています。

2.経済指標等

7-9月期の米実質国内総生産(GDP)確報値は年率換算で前期比2.3%増と改定値の2.1%増から上方修正され市場予想を上回りました。また、12月の米コンファレンスボード消費者信頼感指数も115.8と前月から上昇し市場予想を上回っています。一方で11月の米中古住宅販売件数は年率換算で前月比1.9%増の646万戸に止まり市場予想を下回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は11業種全てが上げました。そのなかで一般消費財・サービスと情報技術、ヘルスケアが1%以上上昇し、不動産も1%近く上げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄中26銘柄が上げました。そのなかでも投資判断と目標株価の引き上げを受けてキャタピラー(CAT)が2%近く上げ上昇率トップとなったほか、マイクロソフト(MSFT)も2%近く上昇しキャタピラーに次ぐ上昇率となりました。また、アップル(AAPL)とユナイテッドヘルス・グループ(UNH)、ホーム・デポ(HD)、ビザ(V)、ボーイング(BA)も1%以上上げています。一方でナイキ(NKE)とトラベラーズ(TRV)、スリーエム(MMM)、ベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)が小幅に下げています。

ダウ平均構成銘柄以外では、電気自動車のテスラ(TSLA)が7%を超える上昇となりました。イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が保有するテスラ株について目標の達成に十分な売却をしたと述べたことで需給悪化懸念が後退しました。中国の電子商取引最大手のアリババ集団(BABA)は投資判断と目標株価の引き下げを受けて4%以上下げています。

5.為替・金利等

長期金利は0.01%低い1.45%となりました。ドル円は114円近辺で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が25日移動平均線(昨日時点で28,670円)や100日移動平均線(28,764円)などを上回ることができるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)