前回のコラムでは、埋まっていない窓がいくつか残っているため、下げ止まりの目途を下回ってしまった場合、どこまで下落が続くのか、期間の長いチャートから探してみましょう、という解説で終わっていました。
さて、そこで今回は、さらに表示期間の長いチャートを使って、まだ埋まっていない窓を探し、下げ止まりの目途を割り込んだ場合の目安を見つけたいと思います。
下げ止まりの目途の確認と埋まっていない窓
このチャートは、2020年12月18日から2021年12月7日までの期間を表示した日足チャートになりますが、よく見てみると、2020年12月28日と29日にあけた窓と同年12月23日と24日にも窓があいているのが分かります。
このように、仮に下げ止まりの目途(12月3日安値、10月6日安値、8月20日安値)を1つ1つ割り込んでしまい下落が止まらなかった場合、これら2つの窓を埋めることも考えられます。そのため、5日移動平均線を下回ると同時に5日移動平均線が下向きに変化したときは、押し目買いを控える必要があるのではないかと思われます。
今後の展開は?
続いては、今後の動向についてです。12月7日までの値動きを見ますと、12月3日に取引時間中の安値をつけた後、株価が5日移動平均線を上回ると同時に5日移動平均線が上向きに変化しているのが分かります。
そのため、このまま5日移動平均線上を維持できるかが、反発継続のカギになるのではないかと思われます。
仮にこのまま反発が続くようですと、一旦下回った75日移動平均線や25日移動平均線を上回ることも視野に入り、11月25日と26日にあけた窓を埋めることも考えられそうです。
ただ、この窓を埋めた場合、その後の値動きが重要です。なぜなら、窓を埋めた後に株価水準を維持することができなければ、下向きの25日移動平均線に引っ張られて反落してしまうことが考えられるからです。
またその際、上向きの5日移動平均線を下回るようですと、下げ止まりの目途となっている3つの安値に接近したり、割り込んだりすることが考えられるため、3万円台回復の可能性が後退することになるのです。
今回示したように、12月7日現在の株価水準の上下に窓が残っており、どちらも埋める可能性がありますので、特に買いポジションを持っている投資家は、安値の目途となる水準を割り込んだ場合には注意する必要があります。
また、上昇した場合でも、窓を埋めた後に反転することも考えられますので、高値掴みにならないよう注意したいところです。