11月19日、シンガポールで開催されたBloomberg主催「ニューエコノミーフォーラム2021」にて、ヒラリー・クリントン氏が討論会に参加し、暗号資産は「興味深い」技術であると同時に、「通貨を弱体化させる力を秘めている」と述べました。そして「(暗号資産は)基軸通貨としてのドルの役割を弱め、国家の安定を揺るがすかもしれない。そうした力は恐らく初めは小さいが、巨大なものになっていくだろう」と懸念を示しました。

このような発言から11月19日、BTCとETHはさらに安値を更新しました。その後、反発しましたが、現在も上値が重い状況です。

個人的には、先週の下落からヒラリー氏の上記の発言で市場ポジションがある程度抜けたのではないかと考えています。

今週は底堅く推移し、再び上昇トレンドに回帰するイメージを持っています。ただし、2番底に警戒しながらのトレードになりそうです。

BTC/JPYは2番底狙いか

【図表1】BTC/JPY日足
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhone アプリ)

BTC/JPY日足から分析を始めます。

少し歪なダブルトップをつけ、トレンドラインを右方向に抜けて反落。その後、ネックラインを少し割り込んで反発し、本日(11月22日)に至ります。

テクニカル的には、ちょっと嫌な形状です。まだ戻り売りしやすい条件が揃っていることから、あと数日間は消化しないと方向感に判断がつきにくいかもしれません。ただし、MACDは0.00ライン付近まで落ち込んだため、相場ポジションはかなりニュートラルになっていると思います。短期買いポジションは投げられたと考えています。徐々に上昇しやすい環境が整ってきているのではないでしょうか。

週前半に底値を固め、週後半から再び上昇トレンドに回帰することを期待しています。

押し目買いの水準を探る

【図表2】BTC/JPY 4時間足
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhone アプリ)

4時間足に時間軸を落とします。

636万円を安値に切り返しました。しかし、数時間前から少しずつ再度下げてきています。1つ手前のサポートライン654万円付近が1つの目安となりそうです。ここを割れてしまうと、直近安値の636万円に再度トライになります。あまり形状的にはよくありませんが、騙しパターンと仮定して、反発を狙うならば、636-654万円の安値ゾーンでのエントリーも考えられるでしょう。

その場合、今週のターゲットは下降トレンドラインである700万円付近になりそうです。今週も押し目買いのスタンスに変更はありません。

ETH/JPYは30日移動平均線を割り込む

【図表3】ETH/JPY 日足
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhone アプリ)

ETH/JPY日足チャート分析に切り替えます。

BTCと同様にETHもトレンドラインを右方向に抜けて割り込み始めており、少しベアな様相を呈しています。ETHの安値は約45万2500円付近であり、今週はここをバックに押し目買い戦略が前提となりそうです。

BTCやETHは意外にも30日移動平均線(1ヶ月の平均線)がワークすることも多く、現在はレジスタンスとなっています(50万円付近で推移)。ポイントとしては、この30日移動平均線を上抜けてクローズできると上昇に弾みがつきそうです。

45万2500円前後の安値をバックに買い継続

【図表4】ETH/JPY 4時間足
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhone アプリ)

ETH/JPY4時間足分析になります。

11月19日(金)の45万2500円前後の安値をバックに、買い戦略を継続するイメージです。直近高値は51万円手前ですが、ドル建てで4,500ドルのレジスタンスラインでもあります(さらに日足レベルで30日移動平均線の水準)。よって、ここを突破できますと、テクニカル的にはアク抜け感が出ますので買いやすくなってくるでしょう。

ここで再び史上最高値更新をうかがいます。さらにドル建てで5,000ドルという節目でもあるため、この壁も越えられると一気に上昇トレンドが加速しやすくなると思います。

今週のエントリーは11月末〜12月を見据えた時間スパンで見ながら、仕込みをする時期であると考えています。今週もBTC、ETHともに投資戦略の目線は変わらず、買い継続でいきたいところです。