広木 隆への質問は毎週月曜夜21時から開催している「広木隆のMonday Night Live」でいただいたご質問のうち、セミナー内で回答しきれなかったものを取り上げさせていただきます。 回答対象とするご質問は、サイトへの掲載を考慮して選択採用とさせていただきます点についてご了承くださいますようお願いいたします。
Q.半導体銘柄はまだ伸びるでしょうか?
■半導体銘柄はこのまま上昇期待で良いでしょうか?(とんこつ様)
■ようやく半導体株も上昇傾向ですが、米国の利上げ報道に水を差される可能性はありますか?このまま保有していても大丈夫でしょうか?(スペア様)
■今後、半導体関連はまだ伸びるでしょうか?特にレーザーテック(6920)が気になります。(hiball様)
■レーザーテックの先週末の決算発表をみて唖然としましたが、結果受注残高が評価されたようです。新高値を追う強い展開とみますがどのようにお考えでしょう。(アローズ様)
回答
従来から述べている通り、今後、世の中はテクノロジーの発展がスピードアップします。電気自動車、自動運転などは当たり前でクルマが空を飛ぶ時代がすぐそこまで来ているのです。また、フェイスブックがメタ(FB)に社名変更しましたが、仮想空間メタバースが進展すれば、そこでも新たな需要が生まれるでしょう。
11月4日にナスダック総合株価指数は9日続伸して、過去最高値を更新しました。ハイテク株の上昇をけん引した銘柄の1つが、半導体大手のエヌビディア(NVDA)です。その背景がメタバースへの期待でした。
メタバースは今後、5Gの普及で通信スピードの加速が見込まれるなか、VRなど3Dの技術と融合し、一段と進化するでしょう。そういう時代では半導体のニーズは落ちない。
高精細な技術を持つ日本の半導体製造性装置、検査関連、部品、素材はずっと強い需要が続きます。株価や業績に踊り場は必ずつきものだが、基本的に長期保有のスタンス堅持でいいでしょう。
Q.自動車メーカーの見通しについて
自動車メーカー(特にトヨタとスバル)の将来についてどのように見られていますか?(安泰なのか、衰退していくのかなど)
回答
トヨタ(7203)は決して安泰ではないが生き残るでしょう。前述した空飛ぶクルマなどの技術に投資しているからです。
電気自動車の時代になると、これまで蓄積した内燃機関の技術は不要になり、新規参入との競争激化が予想されます。テスラ(TSLA)のブームを見てもわかるように、コンセプトやデザイン勝負になります。
ソニー(6758)やアップル(AAPL)が自動車を造るかもしれないし、そうなれば彼らのセンスに勝てるでしょうか。価格では中国メーカーに敵わないでしょう。
スバル(7270)は長期的に見たら、どうなるか、不確実性が高いと思います。
Q.ESGが追い風になる銘柄とは?
原油関連は業績が良くてもESGの観点からもあまり株価は上がりにくいと思われますか?
また好業績に加えESGも追い風になる銘柄はどういったところがあるでしょうか?
回答
原油・資源関連はこれまでESG評価が低かったが、だからこそ「変革」の動きが出ており、市場はそれを評価しています。
商社は石炭火力への新規投資への停止を表明し、ENEOSホールディングス(5020)は再生可能エネルギー新興企業のジャパン・リニューアブル・エナジーを買収します。
三菱商事(8058)は二酸化炭素の排出量や電気使用量などを連結ベースで5年間分を細かく情報開示しており、その開示姿勢は評価が高いでしょう。
Q.インド株は今後も成長を続けるでしょうか?
インド株の投信をすすめられています。
広木さんはインド株は今後も成長を続けられると思われますか?
回答
そう思います。その根拠はずばりITの力です。それは技術力ということだけではなく、社会とITの親和性、すなわち、インド社会がDX化しているということです。それが、インドの強みであり、この点に関しては日本の100倍くらい先をいっています。
例えば日本はマイナンバーカードもろくに進んでおらずデジタル庁という役所を作ってこれからなんとかしようというところです。挙句の果てに3万円分のポイントで釣ろうとしています。
それに対してインドはすでにアダールと呼ばれる個人認証基盤が確立しています。それは12桁の数字なのでマイナンバーと同じだが、認証は生体認証、指紋、虹彩、顔認証です。すでに12億人以上のひとが発行を受けており、日本など比べものにならないくらいに進んだ社会です。
貧しい国が豊かになろうとする過程で経済成長が生まれるわけだが、そこにDXが介在するため、インドの成長力は、これまで我々が見たことのないような成長となるでしょう。テクノロジーの進化と同様にエクスポネンシャルな成長軌道となると思います。
Q.外国人投資家からの岸田政権の評価は?
重要なイベントを無事通過し、久々に気持ちよく上げた日経でしたが、岸田政権が続く限り外国人の買いは戻ってこないとの見方が一部にあります。
広木さんはどうお考えですか?
回答
岸田政権の「新しい資本主義」は姿が見えず、僕がレポートで書いているように一歩間違えばバーニー・サンダース氏ばりの民主社会主義に近いものになりかねない。
ただ、岸田さんの優柔不断ぶりからして、この人には芯というものがないと感じられるところがあります。(経済政策についてであって、他のところでは芯がなければ困る。政治家として、いや日本の首相として)
なので、不評とわかれば軌道修正する柔軟性は持ち合わせているでしょう。少なくとも、民間企業の活動を阻害することはしないでもらえば、企業は勝手に利益を稼いでいきます。それを淡々と評価して、外国人はまた買ってくると思います。
Q.コモディティはまだ買いでしょうか?
インフレヘッジでコモディティの投資信託を購入しようと思うのですがどうでしょうか?
1年くらいで利益が出るでしょうか?
回答
コモディティはもうかなりいいところに来ました。ここからは見送ったほうが正解だろうと思います。
インフレも来年には落ち着く見通しです。
このコーナーでは、毎週月曜夜21時から開催している「広木隆のMonday Night Live」でいただいたご質問のうち、セミナー内で回答しきれなかったものにチーフ・ストラテジストの広木隆が回答いたします。
今回は2021年11月1日に寄せられたご質問から抜粋して回答しております。
また、回答対象とするご質問は、サイトへの掲載を考慮して選択採用とさせていただきます点についてご了承くださいますようお願いいたします。
【広木隆のMonday Night Liveについて】
※スマートフォンでもご視聴いただけます。
※専用配信システム(直伝社システム)、YouTubeで配信します。質問チャットへご参加
※質問の入力はLIVE配信中のチャットに限ります。
※「広木隆のMonday Night Live」には、開催日当日のマネックス証券サイトの「広木隆のMonday Night Live」バナーからご参加ください。