ユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)決算:一株利益は2.71ドルで市場予想を上回る
企業概要
ユナイテッド・パーセル・サービスは、世界最大級の小口貨物配送業者である。500機を超える航空機、10万台以上の運送車両、数百カ所に仕分施設を展開し、1日平均2,200万個を超える荷物を世界各地の住宅および企業に配送する。米国国内小口貨物部門が全社売上高の61%、国際小口貨物部門が20%を占める。LTL(積合わせ)輸送、海外フレイト・フォワーディング、および、請負ロジスティックが残りの19%を占めている。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第3四半期(7月-9月期)実績
★売上高・・・前年同期比9.4%増の231.84億ドル(市場予想は225.87億ドル)
★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・ 2.71ドル(市場予想は2.54ドル)
2021年度通期ガイダンス
★設備投資・・・42億ドル(従来予想は40億ドル、市場予想は39.9億ドル)
★営業利益率・・・13%増(従来予想は12.7%)
7-9月期(第3四半期)売上高、調整済みEPSはともに予想を上回った。eコマースの需要急増の中で、宅配価格の引き上げが奏功した。同社は2021年の営業利益率目標を7月に設定した12.7%から13.0%に上方修正したほか、2021年の設備投資計画を7月の40億ドルから42億ドルに増額している。
今後の株価見通し
宅配価格を引き上げたことにより、収益性の高い商用小包よりも急速に売上高が伸び、膨大な宅配の荷物を処理する費用を賄った。また、同社は労働組合を持っていることから、業界で最も高い賃金を支払っている。そのことが競合他社よりも労働力不足が起こらない要因となっている。好決算を受け、新値を更新した。
ゼネラル・エレクトリック・カンパニー(GE)決算:一株利益は0.57ドルで市場予想を上回る
企業概要
ゼネラル・エレクトリック・カンパニーは、米国の発明家トーマス・エジソンが設立した会社ともう一社が1892年に合併して誕生した。今日では、航空旅行、精密医療、およびエネルギー転換における世界的なリーダーである。差別化された技術と世界中に広がる設備の巨大な工業的インストールベースで知られている。このインストールベースには、航空宇宙用エンジン、ガスタービンおよび蒸気タービン、陸上および洋上風力タービン、ならびに医療診断およびモバイル機器が含まれる。利益の大部分は、一般的に利益率が高いサービス収入によるものである。元ダナハーのローレンス・カルプCEOがリーンの原則に基づいて、コングロマリットの数年にわたる業績回復をリードしている。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第3四半期(7月-9月期)実績
★売上高・・・前年同期比5%減の184.29億ドル(市場予想は193.04億ドル)
★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・0.57ドル(市場予想は0.43ドル)
2021年通年ガイダンス
★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・1.80-2.10ドル(従来予想は1.20-2.00ドル、市場予想は1.96ドル)
7-9月期(第3四半期)売上高は予想を下回ったが、調整済みEPSは予想を上回った。2021年度通期ベース調整済みEPSガイダンスレンジを引き上げ、予想を上回った。
今後の株価見通し
株価は7月以降109ドルのバリアを超えられていない。109ドル超えから投資タイミングを図ることになろう。
ケイデンス・デザイン・システムズ(CDNS)決算:一株利益は80セントで市場予想を上回る
企業概要
ケイデンス・デザイン・システムズは、ECADとSDAシステムズが合併し1988年に設立された。集積回路またはより大きなチップ・システムの設計および検証を自動化するソフトウェア、ハードウェア、および知的財産の開発を専門とする電子設計自動化(EDA)で知られている。歴史的には、半導体企業のためのツールであったが、モノのインターネット(IoT)、人工知能(AI)、自動運転、クラウドコンピューティングの発展から、他の非伝統的な「システム」ユーザーへと移行してきた。シリコンバレーに本社を置き、世界で約8,100人の従業員を抱え、2017年後半にはS&P500銘柄となった。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第3四半期(7月-9月期)実績
★売上高・・・前年同期比13%増の7.51億ドル(市場予想は7.42億ドル)
★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・80セント(市場予想は75セント)
第4四半期(10月-12月期)ガイダンス
★売上高・・・7.45-7.65億ドル(7.47億ドル)
★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・76-80セント(市場予想は74セント)
2021年度通期ガイダンス
★売上高・・・29.6-29.8億ドル(29.5億ドル)
★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・3.24-3.28ドル(市場予想は3.17ドル)
7-9月期(第3四半期)売上高、調整済みEPS、営業利益率は全て予想を上回った。続く第4四半期の売上高、調整済みEPSガイダンスレンジもともに予想を上回った。
今後の株価見通し
2021年度通期ベースの売上高、調整済みEPSガイダンスレンジもともに予想を上回った。好決算を受け、上値追いとなろう。
イーライリリー・アンド・カンパニー(LLY)決算:一株利益は1.94ドルで市場予想を下回る
企業概要
イーライリリー・アンド・カンパニーは、神経系疾患、内分泌系疾患、自己免疫疾患、腫瘍性疾患に焦点を当てる医薬品会社である。主要な医薬品には、がん治療薬のアリムタやベージニオ、糖尿病治療薬のジャディアンス、トルリシティ、ヒューマログ、ヒューマリン、免疫疾患治療薬のトルツやオルミエントなどがある。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第3四半期(7月-9月期)実績
★売上高・・・前年同期比18%増の67.73億ドル(市場予想は66.27億ドル)
★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・1.94ドル(市場予想は1.95ドル)
★純利益・・・前年同期比25%増の17.64億ドル(市場予想は17.75億ドル)
2021年度通期ガイダンス
★売上高・・・272-276億ドル(従来予想は268-274億ドル、市場予想は273.5億ドル)
★1株当たり利益(調整後)・・・7.95-8.05ドル(従来予想は7.80-8.00ドル、市場予想は7.87ドル)
7-9月期(第3四半期)売上高、調整済みEPSはともに予想を大幅に上回った。2021年度通期ベース調整済みEPSガイダンスレンジを引き上げ予想を大幅に上回った。
今後の株価見通し
好決算を受け、更に上値追いとなりそうだ。いよいよ275ドル奪回の動きが予想される。
アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド・カンパニー(ADM)決算:一株利益は0.97ドルで市場予想を上回る
企業概要
アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド・カンパニーは、油糧種子、トウモロコシ、小麦、およびその他の農産物の大手加工企業である。さらに、作物の保存および輸送のための物流資産ネットワークを世界中で有する。また、人間と動物両方のための成分に焦点を当てた栄養事業を運営している。
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
第3四半期(7月-9月期)実績
★売上高・・・前年同期比34%増の203.4億ドル(市場予想は181.57億ドル)
★1株当たり利益(調整後)・・・0.97ドル(市場予想0.88ドル)
★純利益(調整後)・・・前年同期比10%増の5.48億ドル(市場予想は4.99億ドル)
7-9月期(第3四半期)売上高、調整済みEPSはともに予想を上回った。
今後の株価見通し
以下のチャートの通り、69ドル超えから投資タイミングを図ることになろう。