フェイスブック(FB)決算:一株利益は3.22ドルで市場予想を上回る

企業概要

フェイスブックは、世界最大級のソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を運営する。月間アクティブユーザー数は25億人。メッセージ交換、ニュース、写真、ビデオのシェアなどで、ユーザーが互いに交流できる。動画配信サービスWatchは、プレミアムコンテンツのライブラリを構築中で、広告収入や視聴料など収益化を目指す。フェイスブック、インスタグラム、メッセンジャー、ワッツアップ、その他多くのサービスでエコシステムを構成。PCやモバイル端末から利用可能。広告収入が全体の90%以上で、地域別では半分が米国およびカナダ、25%が欧州となっている。粗利益率は80%超、営業利益率は30%以上となっている。

出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.    

第3四半期(7月-9月期)実績

★売上高・・・前年同期比35%増の290.1億ドル(市場予想は294.5億ドル)

★1株当たり利益(GAAP)・・・3.22ドル(市場予想は3.17ドル)

第4四半期(10-12月期)ガイダンス

★売上高・・・315億-340億ドル(市場予想348億9000万ドル)

7-9月期決算(第3四半期)では、1株利益は予想を上回ったものの、売上高は予想を下回った。広告収入が予想に届かなかった。続く第4四半期の売上高見通しも公表しており、予想を下回る見通しとなっている。

【図表1】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
【図表2】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.

今後の株価見通し

アップルの広告規制強化による悪影響は、スナップほどではなかったが、やはり売上高(次の四半期売上高見通しにも)に出ていた。ただし、500億ドルの自社株買戻しを発表しており、決算発表日引け後の時間外取引では333ドル台で推移した。

【図表3】株価5年間チャート
出所:トレードステーション

ビザ(V)決算:一株利益はドルで市場予想を上回る

企業概要

ビザは、世界最大級の電子決済処理ネットワーク運営会社である。2020年度の購入決済取扱額はおよそ9兆ドル、世界200ヶ国を超える市場で160種類の通貨の取引を決済する。決済システムは毎秒65,000件を超える取引を処理することが可能である。

出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.    

第4四半期(7月-9月期)実績

★純収入・・・前年同期比29%増の65.6億ドル(市場予想は65.2億ドル)

★1株当たり利益(調整後)・・・1.62ドル(市場予想は1.54ドル)

第4四半期決算は、利益が市場予想を上回った。コロナ禍で停滞していた経済の再開に伴う旅行需要の回復や、オンラインショッピングへの支出拡大が追い風となった。

純利益は35億8000万ドル(クラスA株1株当り1.65ドル)と、前年同期の21億4000万ドル(同0.97ドル)から増加した。クロスボーダー決済額(為替変動の影響除く)は38%増。決済総額(為替変動の影響除く)は17%増。決済処理件数も21%増加した。

【図表4】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
【図表5】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.

今後の株価見通し

ネットワークの基準を管理する能力、潤沢なフリーキャッシュフロー(純現金収支)、負債ゼロのバランスシート、豊富な手元資金を背景に、株価は順調に上昇している。株主対策も手厚く、今後も同社株の見通しは良好である。決算発表日は231.82ドルで引けた後、決算発表を受け、225ドル台で推移した(NY時間午後7時55分時点)。200日移動平均線レベルで値固めした後、再度上値をうかがう展開が予想される。

【図表6】株価5年間チャート
出所:トレードステーション

テラダイン(TER)決算:一株利益は1.59ドルで市場予想を上回る

企業概要

テラダインは、無線(ワイヤレス)、自動車、産業、通信、航空宇宙、防衛セクターで使用されている半導体、ワイヤレス製品、データストレージ、および電子システムのための自動テストシステムの設計、開発、製造を手掛ける。半導体テスト、システム・テスト、ワイヤレス・テスト、産業オートメーションの4つの部門を通じて事業を展開している。テストを実施することで、製品の品質の改善・コントロール、性能の測定を可能にし、歩留まりの向上を支援する。製品は、台湾、中国、米国、日本、韓国を中心に販売されているが、世界各国でプレゼンスを有する。

出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.    

第3四半期(7月-9月期)実績

★売上高・・・前年同期比16%増の9.51億ドル(市場予想は9.32億ドル)

★1株当たり利益(調整後)・・・1.59ドル(市場予想は1.44ドル)

第4四半期ガイダンス

★売上高・・・8.20-9.0億ドル(市場予想は8.40億ドル)

★1株当たり利益(調整後)・・・1.14-1.40ドル(市場予想は1.18ドル)

第3四半期売上高、調整済みEPSはともに予想を上回った。続く第4四半期売上高、調整済みEPSガイダンスレンジもともに予想を上回った。これを受け、決算発表日引け後の時間外取引で、同社株は2.8%程度上昇した。

【図表7】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
【図表8】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.

今後の株価見通し

125ドル超えから投資タイミングを測ることになりそうだ。

【図表9】株価5年間チャート
出所:トレードステーション

テキサス・インストゥルメンツ(TXN)決算:一株利益は2.07ドルで市場予想を上回る

企業概要

テキサス・インストゥルメンツは、テキサス州のダラスを拠点とするアナログ半導体製造の世界大手である。製品は、サウンドやパワーなどのリアルワールド・シグナルを処理するために使用されている。売上高の95%は半導体が占め、残りの5%を電卓が占めている。ワイヤレス通信機器やさまざまな電子応用機器に搭載されるマイクロコントローラーなどのデジタルシグナル・プロセッサーでも市場をリードしている。

出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.    

第3四半期(7月-9月期)実績

★売上高・・・前年同期比22%増の46.4億ドル(市場予想は46.6億ドル)

★1株当たり損益(一部項目を除く)・・・2.07ドル(前年同期は1.45ドル)

第4四半期(10月-12月期)ガイダンス

★売上高・・・42.2-45.8億ドル(市場予想は44.8億ドル)

★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・1.83-2.07ドル(市場予想は1.94ドル)

第3四半期決算は売上高が市場予想を下回った。半導体業界のサプライチェーン(供給網)制約が影響した。同社はまた、市場予想を下回る第4四半期売上高見通しを示した。発表を受けて株価は4.6%下落した。同社は半導体製造に使用される部品の不足に直面しており、拡大する需要に対応しきれていない。

【図表10】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
【図表11】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.

今後の株価見通し

決算発表を受け、決算発表日の時間外取引で一時約4.6%下落。当面底値模索の動きが予想される。

【図表12】株価5年間チャート
出所:トレードステーション

ツイッター(TWTR)決算:一株損失は54セントで市場予想を上回る

企業概要

ツイッターは、ショートフォームテキスト(最大280文字)、画像、およびビデオコンテンツのためのオープンソース型配信プラットフォームおよび交流のためのプラットフォームを運営している。ユーザーは、自分の関心のあることについて自身のソーシャルネットワークを作ることができ、それによってインタレスト・グラフが構築される。多くの著名人がツイッターアカウントを利用している。広告収入(売上高の90%を占める)とユーザー・データのライセンス料(同10%)が収益源である。

出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.    

第3四半期(7月-9月期)実績

★売上高・・・前年同期比37%増の12.8億ドル(市場予想は12.9億ドル)

★1株当たり利益(調整後)・・・54セントの赤字(市場予想は17セント) 

7-9月期決算(第3四半期)では、1株損益が赤字だったほか、売上高は予想範囲内だった。第4四半期のガイダンスも公表し、売上高見通しは15億-16億ドルと、こちらも予想範囲内となっていた。アップルのiOS更新に伴うプライバシー基準の強化の長期的な影響を評価するのは時期尚早との見解を示したうえで、第3四半期の収益への影響は予想よりも低かった一方、中程度の影響を第4四半期の見通しに組み込んだとしている。

【図表13】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.
【図表14】
出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.

今後の株価見通し

アップルの広告規制強化によるスナップ、フェイスブックのような業績悪化の範囲と程度を知る上で、ツイッターは最も注目されていた。ただし、スナップ、フェイスブックほどの影響はなかったと言うことで、安心買いが入っている。

決算発表日は61.43ドルで引けたが、引け後の時間外取引では、63ドル台で推移した。値固めフェーズを経て、上値をうかがう展開となりそうだ。69ドル超えから投資タイミングを図ることになろう。

【図表15】株価5年間チャート
出所:トレードステーション